毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

あなたの一番思い出したくない過去は何ですか?そこにキャラクターが立つ~『なぜ、この人と話をすると楽になるのか』吉田 尚記 氏(2015)

なぜ、この人と話をすると楽になるのか

 吉田氏はニッポン放送の大人気アナ、些細な会話すらままならないコミュ障だった!

(2015年刊)

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自分の欠点が最大の強み

 

コミュニュケーションをとるうえで自分がどうしているといちばん心地いいか、相手から振られやすくなり、会話が弾み、周囲に認められるキャラクターになれるのか?その本性を考えてみると自分の欠点こそが最大の強みなのです。(164ページ)

 

欠点を突っ込まれてOKとする

 

欠点から自分のキャラを戦略的につくるというのは、ひとことで言えば、そこをツッコまれてOKにすることです。相手に自分の欠点をツッコまれたとき、ヘコんだり心が折れたりするんじゃなくて、喜こべなきゃいけない。コミュニケション・ゲームをプレーするうえでは、弱点があったらラッキーなんです。極端な話、ハゲチビデブの人、全部ラッキー。それをネタにされてOKの人になる。自分のコンプレックスをツッコまれてもウェルカムできる。そうして自分を低く設定しておくと話しかけられやすくなるんです。(165ページ)

 

ブラック・ヒストリー・フォー・セール

 

 自分で言うのもナンですが、ぼくは公私ともにオタクキャラで通っている人間です。それは性格的に、何かこれはってものがあるとなりふり構わずガーッと行ってしまう欠点がそうさせている。どう考えても尋常じゃありません。・・・黒歴史だらけだしそれを隠すどころか売り物にしている。年がら年じゅうセール中、ブラック・ヒストリー・フォー・セールです。(166ページ)

愚者戦略

 愚者戦略というのは文字どおり戦略であって、あえてそのような態度をとるという覚悟の問題なんです。欠点をツッコんでOKにして、それがキャラクターとして合意されていたら、その人は確実に周囲を楽しくさせるんです。(167ページ)

コミュニケーションの目的

 本書で著者はコミュニケーションの目的はコミュニュケーションが成立することそのものであると語る。このブログでも紹介した文化人類学者のロビン・ダンパーを引用して「気持ちいい毛繕いの代りとして、ヒトはおそらくコミュニュケーションを発明した」という。コミュニュケーション自体が目的ならそれは楽しくなくてはいけない。

それでは相手を喜ばせる戦略は何か?自らの欠点を暴露し、欠点を売物にする愚者戦略である。吉田氏の言葉で言えばブラック・ヒストリー・フォー・セールである。自分の欠点は何か、そこに他人との違いが存在するのである。欠点こそ身を助ける。

蛇足

 自分が一番認めたくない過去は何か?

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