毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

”生きているだけで丸儲け by さんま”を実践するには、、、~『 まだ「会社」にいるの? 』山口揚平氏(2013)

 まだ「会社」にいるの? ~「独立前夜」にしておきたいこと~

 山口氏は金融出身のコンサルタント、「会社を辞めたい、でも辞める勇気がない」そんなジレンマを抱える人にの背中をそっと押したくて、 僕はこの本を書きはじめました。(2013)

能力を高めるより期待値を下げる

僕が、人生でもっとも大事にしているのは「余裕率」という考え方です。・・・(表のなかで)いつも期待や不安・欲望が、自分の持つキャパシティの範囲内に収まっている状態が精神的に健康と言えます。そして、より重要なことは、右下にいけばいくほど、つまり余裕率が上がれば上がるほど、より直観性が増し、クリエイティブで純度の高い行動ができるようになります。

多くの人は、縦軸を軽視し、横軸(特に能力)を高めようとします。ですが、僕は、縦軸(特に期待値)を下げることを勧めます。スキルを高めるごとに、自分への期待を下げていくのです。「まあ、これでいいや」と納得する力、それこそが余裕率を高めるのです。(70ページ)

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期待値を下げるには

僕たちは普段、新陳代謝で身体からアカが出るように、普通に生活しているだけで、抑えようとしても心の奥底からジワジワと自分への期待や欲望を生み出しています。人間なら仕方のないことでしょう。・・・そして膨らんだこれらの感情に合わせるように、実利的な能力やお金を実現社会の中に求めてゆくのです。・・・ですから、意識的に自分や他人への期待値を下げる習慣を生活に取り込むことが必要になります。この高まった期待を定期的に下げて、解毒(デトックス)する必要があるのです。(72ページ)

1人で生き抜く知恵~生きているだけで丸儲け

山口氏は自分も20代の頃は能力至上主義で生活していたそうである。期待値を下げた方が「純度の高いモチベーションが生まれることそして精神的に幸せに近くなる」(70ページ)ことに気づかれた。

私自身もそうであった、というか今も能力至上主義であると言わざるを得ない。今までは幸いなことに一時的に能力が落ちても回復、わずかずつでも能力は向上してきたと感じていた。しかし長い目で見ればこれは続けられないことも確か、である。

本書で能力より期待値の管理が重要であることに気づかされる。期待値を下げる、とは何でもいい、ということではない。また能力を上げる努力をしないこと、でもない。

大切なのは自分への期待や欲望を一人歩きさせないこと、である。山口氏は、人は欲望や期待が自然に膨らんでいくことに無自覚であると指摘する。我々は自ら欲望や期待を整理しなければいけない。欲望も期待も自分で作り出したものなのだから。

蛇足

能力を上げて、期待値を下げる、完璧

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