毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

世界には知らない事が沢山ある、Vocaloidの歌姫「初音ミク」が教えてくれた事

初音ミクはなぜ世界を変えたのか?

初めての音が未来からやって来る、VoCaloid技術により合成された歌声。

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2014年9月、東京体育館でコンサートに遭遇、興味を持つ

 

初音ミクとは~序章より

歌声合成ソフトウェア、つまりはコンピュータに歌わせることのできる「VoCaloid」技術を用いたソフトとして発売された初音ミク。最初は誰もが単なるオモチャのように思っていた。ネギを振らせてみたり、カバー曲を歌わせてみたり。・・・しかし数カ月もしないうちに、完成度の高い楽曲が次々とネット上に登場する。様々なバリエーションやジャンルの楽曲が投稿され、曲の作り手は、いつしか「ポカロP」と呼ばれる様になっていく。音楽だけじゃない。ニコニコ動画を舞台に、イラストや動画など様々なフィールドの表現が生まれていった。ソフトウェアが発売された時に、最初に提示されたのは、三枚のイラストと、「年齢16歳、身長158㎝、体重42㎏、得意なジャンルはアイドルポップスとダンス系ポップス」というシンプルな設定のみ。だからこそ、ユーザーの想像力が自由にキャラクターを育てていった。(3ページ)

 

以下にクリプトンFMの伊藤社長、開発者の佐々木氏、ボーカロイド技術のヤマハの剣持氏のインタビュー部分から引用する。

 

ボーカロイドの声

ボーカロイドというのは、その声の波形を切り刻んで再構築したものが歌になっているわけです。藤田咲さんの声が断片化されて、ちょっと違う形になって初音ミクとして出てくるわけなんですね。でも、元の声にあった「私可愛いでしょ」という訃音きは、あるランダム化されて残っている。(105ページ佐々木氏)

結局誰が歌っているか?

曲に歌詞とメロディを打ち込んで表現するということは、つまりは作り手は演奏者であり、実演家であるということなんですね。だから初音ミクの曲を誰が歌っているか?というと、それは結局のところ打ち込んだ人自身なんです。(156ページ剣持氏)

初音ミクは楽器プラスα

ミクの場合は、楽器でもあり、キャラクターでもある。そこが非常に悩ましくも面白くもあるところなんです。ある種の人格を伴ってその楽器が登場する。それって、過去のどんな楽器にもなかった事なんです。つまり「楽器プラスα」なんですね。・・・楽器と人格とのバランス、そのハイブリッドさがある。単なる楽器だったらここまでの状況は生まれなかった。クリエーターとの共生関係が必要だと思います。(276ページ伊藤氏)

初音ミク」という存在

東京体育館初音ミクのコンサートに遭遇した。それまでは単なるキャラクターとばかり思っていた。本書からボーカロイドだった事、知名度のあった事を知る。アニメーションのキャラクターに自分が創った曲を歌って貰えたら?知らないポカロPの創った楽曲にイラストを描く。一つのモチーフに様々な人が参加をする。そこにあるのは自己表現。16歳という設定年齢に、放課後の解放感を思い出す。皆好きな事を勝手にやっていた。初音ミクは未来から懐かしい時間を運んできた。2014年9月20日東京体育、私の知らない世界があった。

蛇足

 

人は興味のあるものしか見ない。

米国トヨタのコマーシャルもおもしろい


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