毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

リーダーは誰にでもできる~『僕が「プロ経営者」になれた理由 変革のリーダーは「情熱×戦略」』樋口泰行氏

僕が「プロ経営者」になれた理由 変革のリーダーは「情熱×戦略」

 HPとコンパックの統合を実行し、危機のダイエーを活性化させ、マイクロソフト日本法人の変革をリードした。自分と組織の「殻の破りかた」(2016)

 

リーダーは誰でもできる

経営のプロや変革のリーダーというのは、特殊な存在ではない。本書を読んだ方が、「自分にもできるのではないか」と考え、一歩を踏み出すきっかけになってくれれば、著者としてこれほど嬉しいことはない。(228ページ)

誰もが実現できるリーダー論

日本もまた、この(環境変化のスピードが猛烈に早いという)マクロ状況のなかにあり、かつ(人口オーナス期という)転換期を迎えているなかで変革を担う新しいリーダーが1人でも多く育ってこなければ生き残ってはいけないだろう。・・・今求められているのは(突出した起業家のリーダー論ではなく)、マクロでもミクロでも構造的に起きている変化に対応するための基礎的なリテラシーとしてのリーダー論であり、誰もが共有して自身の資質として身につけなければならないリーダー論だからだ。・・・一連の経験から学んだのは、個々の従業員が変革のリーダーとしての自覚と資質を備えて環境の変化に向かい合わなければ、個人にも企業にも持続的な成長はもたらされないという確信だった。(54ページ)

経営リーダーの最終目標とは

(経営リーダーの最終目標は)「社員にめざすべき状態と、そのための具体的な仕事を用意し」「リーダーとしての素の姿を見せながら一緒に実現する」ことである。(110ページ)

会社は、1人ひとりが能力を発揮して「1+1」を2にとどまらず3や4にして豊かな暮らしを実現しようとする組織だ。(63ページ)

誰もができるリーダー論

変革期のリーダーとして最も求められる資質が「多」、つまり多様性、ダイバーシティだ。(64ページ)

なににフォーカスを当て、優先順位をいかにつけるかもリーダーの重要な資質になる。(76ページ)

人を動かすのは戦略や論理ではない。当たり前だが、一緒に歩んでくれると実感できるリーダーの心こそ人を動かすのだ。(116ページ)

自分自身で、TODOリストをつくり、そこに書き記された仕事(項目)を部下に託した場合、託したらすぐにリストから消せるようなマネジメント力を身につけてほしいのである。(77ページ)

 

僕が「プロ経営者」になれた理由

本書は普通のサラリーマンだった著者が、普通ではない経験を通じて得た経験による、普通の人に向けた“元“普通の人によるリーダー論、である。著者はリーダーの最終目標は「夢を与え、実績を創り出すこと」、と言う。そしてその最終目標は「情熱×戦略」を意識することで、誰でも達成できることになる。

創業オーナーは一から組織を作る。プロ経営者は出来上がった組織を運営する。だからこそ本書のリーダー論は極めて普遍的であり抽象化されている。

蛇足

リーダーにもやり方がある

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