毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

米国の大統領に必要な最大の資質は何か?~『 時間をかけずに成功する人 コツコツやっても伸びない人』S・スノー氏(2016)

 時間をかけずに成功する人 コツコツやっても伸びない人 SMARTCUTS

 スノウ氏はNY在住のジャーナリスト・起業家、最速で結果を出すには?(2016)

 

リーダーの資質とは

大統領候補に対する世間の関心は、政治家としてのキャリアの長さではない。ジョージ・H・W・ブッシュ大統領の元顧問で、大統領の歴史に詳しいダグ・ウィードは次のように説明する。「リーダーとしての資質です。世論調査によれば、大統領候補に一番求めらるのは『強くて決断力のあるリーダーシップ』です。」

きわめて短時間で大統領の座をつかんだ候補たちは、シナトラの法則をうまく活かしてリーダーシップを印象づけていたことがわかった。例えばワシントンは大陸軍総司令官、ウィルソンは大学総長、レーガン州知事(そもそも訳者からの転身)を務め、リンカーンに至っては新党を立ち上げ、全体の利益を優先させる謙虚さを貫いた。・・・アイゼンハワーはそれ(大統領就任)以前に選挙で公職に選ばれた経験がない。(47ページ)

シナトラの法則~この街で通用するなら、世界のどこでも通用するさ

ニューヨークは、芸術だろうがビジネスだろうが、あらゆる分野に挑む者たちのグローバルな尺度になっている。「ニューヨークで弁護士をやっていたのなら、優秀に違いない」と。ニューヨークで最低の弁護士だったとしても、そんなことは関係ないのだ。“ニューヨークで通用するなら、世界のどこでも通用するさ”と評価されるのである。これを僕は「シナトラの法則」と呼んでいる。(46ページ)

歴代の偉大な大統領上位10人のキャリア

・・・上位10人に挙がった大統領は、なんと全員が揃って、思わぬルートから頂点を極めるハッカー型の出世パターンだった。唯一JFケネディだけは、下院・上院の経験があり、従来型の階段を上がったかに見える。だが、彼は戦争の英雄であり、ピューリツア賞受賞作家でもある。普通に階段を上がったとは言い難い。

この上位10人の大統領は、自らの仕事に懸命に取り組み、いろいろな経験を通じてリーダーシップを身につけ、実際に現場で実力を発揮しながら、次から次へと会談を渡り歩いてきた。一つの成功を元手に次の段階に挑み、選挙で負けてもあきらめなかった。(上位10人のほとんどが落選経験者だ。)

上位10人の大統領 (議員在職期間、従前の職業)

リンカーン(2年 政党創設者)

J・ワシントン(1年 総司令官)

Fルーズベルト(5年 海軍次官補)

Sルーズベルト(5年 保安官代理)

トルーマン(5年 保安官代理)

JFケネディ(14年 海軍兵士 作家)

ジェファーソン(7年 弁護士・啓蒙思想家)

アイゼンハワー(0年 戦争の英雄)

ウィルソン(2年 大学総長)

レーガン(8年 俳優)

成功への階段を攻略する

「今ある実績を元手に投資し、さらに大きなリターンを狙う姿勢」だ。これこそ、優秀な個人や企業が成功を収めるときの大前提なのだ。

大統領だけではない。経営者やコメディアン、カーレーサーも同じようにして腕を磨き、最後に大舞台に殴り込みをかけている。ベンチャー企業が急成長するのも、歴史ある企業がさらに成長を遂げるのも、同じ理由による。(51ページ)

時間をかけずに成功する人

2016年の大統領選挙では政治家、軍人の経験のないビジネスマン、あるいはTV人気タレント、が当選した。今の舞台で成功したなら舞台を変える必要はない。あえて小さな実績を元に、新しい少し大きな舞台に挑戦する。これを繰り返すことで最後は大きな実績を築ける。

大統領の最大の資質はチャレンジャーであることである。そしてチャレンジャーは“時間を掛けないから成功する”のである。

蛇足

ニューヨークの最低の弁護士でも、実績になる

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