毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

幸せは自らコントロールできるもの~『幸せのメカニズム 実践・幸福学入門』前野隆司氏(2013)

 幸せのメカニズム 実践・幸福学入門 (講談社現代新書)

 

幸せはコントロールできる! 脳・ロボット学者が解き明かす、そのしくみ。(2013)

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幸せの基本構造

人それぞれの幸せの形はバラバラだけれども、人間は進化によりデザインされた生物である以上、誰もが共有できる、統合された幸せのイメージというものがあるのではないか。・・・世界共通の幸せの全体像を学問として明らかにし、みんな(あらゆる人々)がそれを共有できれば、みんながもっと幸せになれるのではないか。(18ページ)

幸せは多くの要因からなる

結論から言うと、幸福に関する要因はたくさんあります。年齢、性別、健康、信仰心、結婚、つながりの多様性、目標が明確であること、ボランティア活動をしていること、いざというときに頼れる人がいること、ものごとに感謝していること、外交的であること、目標を達成していることなどです。(57ページ)

幸せになるのは間接的

何か、幸せになるための直接的なアクションというものはない。すべて間接的である。一見、幸せとは違う別のアクションをした結果として、まるで突然のご褒美のように、幸せはやってくる。(92ページ)

幸せの4因子

  1. やってみよう!因子:有能で、社会の要請に応え、成長に満ちていて、自己実現しているという人間の特徴
  2. ありがとう!因子:人を喜ばせる、愛情、感謝、親切と、他社との心の通う関係・・・他人に向かう幸せ
  3. なんとかなる!因子:楽観性は、幸せのためになくてはならないスパイス
  4. あなたらしく!因子:他人と自分を比較しない傾向や、自分をはっきり持っていることの因子

                           (110ページから抜粋)

幸福に影響する要因48項目から

  1. 親密な他者との社会的つながりの多様性(多様な人と接すること)と接触の頻度が高い人は主観的幸福が高い傾向がありますが、つながりの数(接する人の数)は主観的幸福にあまり関係しないようです。
  2. 人は、良いことが起きると自分の手柄に、悪いことが起きると他人のせいにする、厄介で勝手な傾向を持っています。(ポジティブ幻想)
  3. オートテリック(自己目的的)な人ほどフローを体験しやすいことが知られています。

 4.音楽、絵画、ダンス、陶芸などの美しいものを見るよりも、それら 

  を創造するほうが主観的幸福度が高い傾向があるようです。

 

幸せのメカニズム

前野氏はロボットや脳科学の研究から、幸福の研究にシフトしていった。科学が人を必ずしも幸せにしないことから、どうやったら人は幸せになれるか、にテーマを変えたという。

前野氏は幸せは多くの因子があり間接的に構成されている、具体的には一つでは幸せになれない、という。多くの因子を要約すると4つに整理できるという。本書巻末には幸福に影響する要因として48項目のリストが付いている。そこから意外、あるいは面白いと思た4つを引用してみた。平均的は我々は会社などに入って真面目に仕事をすることが幸福への第一歩、だと教わってきた。しかし、それだけでは幸せになれない。なぜなら幸せは多くの要因から、間接的に構成されるからである。幸せは一つでは達成できない、という当たり前のことに気づかさせてくれる。

蛇足

幸せは自らコントロールできるもの

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