毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

紙幣は絵画の一種である‼?~『アートコンサルタントが教える「新美術品投資」』加藤淳氏(2015)

アートコンサルタントが教える「新美術品投資」

 加藤氏はアートコンサルタント、美術品投資について解説。(2015)

 

美術品

本格的な美術品という意味は、資産性の高い美術品ということで、それは国際的な換金性が高く、安定した相場を持ち、かつキャピタルゲインを生じさせる可能性が高い美術品のことを指します。(はじめに)

美術品の価値

美術品の価値について理解するために、一番わかりやすい例を出しましょう。それが、みなさんが日常使っているお札、つまり紙幣です。ご存知のように、紙幣は、金額が印刷された紙切れです。お札の製造原価は、1枚あたりおよそ20円だそうです。それが、1万円としての価値を持って世の中で流通しているのです。何だか美術品と似ていませんか。(70ページ)

お札は政府が価値づけをする

不換紙幣としての日本銀行券は、日本銀行、つまり日本国がお金としての信用を担保しています。その信用担保によってお金として流通しているのです。(70ページ)

美術界が価値づけをする

信用力があり換金性を持つ美術品だけが、金や不動産のような実物資産として分類され、美術資産と呼ばれるのです。・・・美術界や美術品市場が価値付けした作品のことを、換金性のある作品=美術資産と呼ぶのです。(71ページ)

紙幣と絵画

本書ではお札と美術品を同じ資産として比較している。

美術品は、しばしば希少性が莫大な価値に転換する。オークションで絵画に何十億円という価格が付いたことがニュースになることもある。高価だからといって、その絵画そのものをどうしても欲しいと思う人はそれほど多くないであろう。

紙幣を美術品と同じ資産だとすると、不可解なことに気づく。絵画と同様、紙幣そのものをどうしても欲しい人と思う人はそれほど多くないはずである。同じ模様の紙幣は沢山ある。同じ絵画があったとして限りなく集めることに執着する人はいない。

美術品も、不動産、株式など、およそ資産と言われるものは同じ性格を有している。

本書は美術品投資の実務書である。ここには私の知らない世界があった。

蛇足

紙幣は絵画の一種である

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