毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

クリスマスツリーの意味を知っていますか?~『教養は「事典」で磨け ネットではできない「知の技法」』成毛 眞氏(2015)

教養は「事典」で磨け ネットではできない「知の技法」 (光文社新書)

 成毛氏は書評家(でもある)、辞書・辞典・事典・図鑑―― ググっても見つからない、未知の世界がここにある。(2015)

 字引学問でいい

 

「字引学問」という言葉がある。深くは知らない分野のことであり、字引つまり辞書を身につけた程度の学問といったところだろう。…しかし、人間は、世の中のたいていのことにつて素人である。…ある分野の素人には、その分野を学んでいく過程を楽しむ権利があるのである。…案外、簡単で挫折せずにすむのは事典や辞書を読むことだと思う。どこから何度読んでもいいように作られているし、それに何より、そこに一冊あるだけで、いつかその分野のい挑戦するのだという気持ちを奮い立たせてくれるからだ。(4ページ)

クリスマスツリーの意味

五十音順に眺めていて目に留まったクリスマスツリーの項目は、12月になって飾られるもみの木ではなく、石油掘削に使うリグ(やぐや)について説明していた。プロはそのリグをクリスマスツリーと呼ぶのだ。グーグルでこれを知ろうと思ったら、検索窓にはクリスマスツリーに並べて「掘削」とは「リグ」とかいった言葉を入力する必要があるだろう。しかし、リグをクリスマスツリーと呼ぶと知らない人に、「掘削」や「リグ」というキーワードは思い浮かばない。つまり、グーグル先生はキーワードを持たない人には何も教えてくれないのだ。

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一方事典を読むのにキーワードはいらない。適当にページを開けば、そこに必ず何かが記載されている。そのページをたまたま開いたという偶然が、未知を既知に変える。だから事典は素晴らしいのである。

事典は、引くものではなく読むもの。クリスマスツリーに出会ったときから、ボクはそう確信している。(18ページ)

教養は「事典」で磨け

 

事典とは、辞書、図鑑、辞典の総称であり「適当にページを開けば必ず知らない何かが記載されており、思いもよらなかった知識を得ることができるもの」のこと。

事典を読めば、存在すら知らない単語の存在を知り、意味を知ることができる。前後のページから偶然の出会い(セレンディピティ)に遭遇することもできる。その上、短い文書でどこから読んでも良いので時間のない時、疲れた時も適当である、と言う。

本書では56冊の事典が紹介されている。早速何冊か注文しました。

蛇足

 

現存する最古の辞書は空海が830年頃編纂した「篆隷万象名義」

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