毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

株式投資とは明日は明日の風が吹く、ことである~『ストラテジストにさよならを』広木 隆氏(2011)

 

ストラテジストにさよならを (ゲーテビジネス新書)

 広木氏は株式のストラテジスト、投資のプロと個人投資家の差なんて、あるようで実はない。(2011)

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株式投資の本質とは

 

やや哲学的になるが、明日はまったく新しい一日だと思うことだ。今日の延長線上に明日は来るが、今日と同じ日が来るわけではく、明日は明日の風が吹く。一日一日、今日がリセットされて、新しい明日が始まるものだと思ったほうがいい。その「新しい明日」が積み重なって「長期」となる。「新しい明日」を待つ準備を日々行って、それを何年も続けていくこと、それが株式投資というゲームの本質である。(123ページ)

どうして株式が儲からないか?

日本株が儲からないのは、日本の企業が儲からないからである。日本企業の収益性が低いのだ。(63ページ)

機関投資家個人投資家

機関投資家には資金量も調査力も情報量もかなわない。しかし本当に必要なものは投資のインテリジェンスーマーケットを相手に「インテリジェントに(賢く)」振る舞うことーである。(68ページ)

ストラテジストとは

ストラテジストは(私も含めて)みんな能力的には50歩100歩だろう。能力というのは相場の先行きを占う能力である。・・・だから自分で相場を張っていない人間の相場予想は話半分に聞くべきだろう。(55ページ)

どうして個人投資家は儲からないか?

プロスペクト理論を簡単に言うと「人は利益から得る効用(満足)よりも、損失から得る負の効用(苦痛)のほうが大きい」ということになる。・・・一般的な投資家の傾向として「利が乗っているときはすぐに利食い、損が出ているときは損ぎりできずに抱え込む」という投資行動パターンが見られるが、その背景をプロスペクト理論はよく説明している。

・・・「損切りははやく、利食いは遅く」とはそういた投資家の非合理的な投資行動を諫める相場の格言として、非常に有名なものである。(41ページ)

広木氏の勧める投資法

 

複数銘柄の株式を長期投資し、そのうち値下がり率が一定(例えば10%)に達したら売却し、値上がりする銘柄はそのままもち続ける。そして「自分のポートフォリオのすべての銘柄が値上がりしており、なかには何倍にもなっている銘柄がいくつもある」(129ページ)状態を目指すというものである。この投資手法は売却に伴う損失を考慮すると5%程度、これに加えて配当利回りの2%で合計7%前後となる。

再び株式投資とは何か

 

株式投資は現在と未来の差に着目することである。そして現在は毎日変わっていく。1日とは言え未来に近づいていく。株式投資の世界のプロフェッショナルは投資の本質を「明日は明日の風がふく」と考えていた。

蛇足

 

年率7%なら10年で2倍、低くすぎますか

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