毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

世界で一番有名な方程式E=mc^2、意味する所は電子は物質でもあり非物質でもあるという事

思考のパワー---意識の力が細胞を変え、宇宙を変える

2014年5月発刊

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リプトン氏は細胞学者、「わたしたち人間は、その細胞がどんな役割を果たしているかを意識し理解すれば、文明に健康と調和と祝福をもたらすことができるのだ。」と提唱する。

唯物論と観念論の狭間で

世界中の文明が基本的に四つのパラダイムを経験してきたという点では、考古学者と歴史家の意見が一致している。四つのパラダイムとはアニミズム(汎霊論)、多神論、一神教、物質主義だ。(86ページ)

物質主義の文明が頭打ちになったのは1953年、生物学者ダジェームズ・ワトソンとフランシス・クリックがDNAの二重らせん構造を発見し、生命の究極的な秘密を解明したと述べた時だった。(104ページ)

2001年にヒトゲノムが完成してわかったのは、人間に必要なのはたった2万3000の遺伝子だということだった。残り12万5000の遺伝子は、ネオダーウィン説での基本的なプログラムの捉え方に明らかに欠陥があるということになる。(105ページ)

我々の信じてきたものを見直す

リプトン氏は「人間はどうやってここにたどりつき、どうしてここにいるのか?そして我々は何をなすべきか。」という根本的な問いを考えるとき科学的物質主義は既に科学的にも否定されつつある4つの事例を挙げる。以下に整理する。

 

科学的物質主義

精神性(観念論・形而上的)

物質

物質が何より重要だ。目に見える物質世界がすべてである。

量子論:原子は物質ではなく、エネルギーからなり、場を形成している。

進化による自然法則

最も自然に適したものが最強であり、弱肉強食が自然の法則である。

真の進化論は「生き残れるような適応を果たす

遺伝子

自然の法則は遺伝子にすべて書き込まれている。

遺伝子はエピジェネティクスの働きにより環境の影響を受ける。

進化のモデル

進化はランダムに発生する

進化に方向性を認めたラマルク的進化モデル

真実を知り、新たな世界へ

その方法の一つは、自分が「無意識」にやっていることを「意識」することだ。・・・聖書の「許しなさい、自分のやっていることを知らないのですから」という言葉を科学的に言うと、「私たちの行動の95%は無意識なのだ」という表現になるであろう。(329ページ)

唯物論のバイアスを認識すること

我々は科学的物質主義、言い換えれば唯物論による思考方法を受け入れている。著者の言う通り、「我々の信じてきたもの」の対局の考え方、観念論的思考方法の存在をより強く意識する必要があるのであろう。量子物理学はE=M×(Cの二乗)、式を変形すればM=E/(Cの二乗)、物質はエネルギーと光が与える場からの情報によって構成されるという結論になる。著者はこれを「電子は物質であり同時に非物質でもある」(127ページ)と表現する。著者ならではのストレートな解釈である。我々は唯物論と観念論の両方に立つ思考が求められてる。

蛇足

般若心経「色即是空、空即是色」、有と無の両立。

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