毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

人類は気候変動のシュミレーションに成功していない~100年単位、1000年単位,いずれにおいても思考によるモデル化が必要

 

ミランコビッチ・サイクル

地球 の地球の公転軌道の離心率の周期的変化、自転軸の傾きの周期的変化、自転軸の歳差運動という3つの要因により、日射量が変動する周期である。理論計算によると、周期は約2万年、約4万年、約10万年という3つに大別される。(Wiki)

 

 気候変動はなぜ起こるのか (ブルーバックス) 著者は79歳の気候変動研究の研究家。

 「急激な気候の変動は海洋大循環によってもたらされた。海洋は水温と塩分濃度の違いによって、約1000年のオーダーで沈み込みと湧昇をしながら地球規模の大循環をしている。著者はこれをグレート・オーシャン・コンベヤーと名付け、ミステリアスな気候変動との関係を明らかにした。」

 

グレートオーシャンコンベヤー

大西洋を北上する比較的温暖な上層水が最北端に到達すると、やがて寒冷な冬の風にさらされ、冷却作用を受ける。冷却が進むと上層水はその密度を増し、臨界に達するや否や深層へと潜り始め、図1に示されるように南下を始める。(中略)そしてこの大きな循環が突然閉ざされてしまったとき、グリーンランドで見られたような急な寒冷化現象を招くのではないかと考えたのである。(6ページ)

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現在わかっている事

地球の気候はミランコビッチ・サイクルの影響を受けている。

地球の気候はミランコビッチ・サイクルより短い1000年単位の変動を繰り返して

おり、それにはグレートオーシャンコンベヤーを含む地球の大気海洋システムには複数の安定した駆動モードがある。

現象は知られているが説明できていない事

大気組成の氷期間氷期変動を生み出した海洋による二酸化炭素変動の吸収・放出の原因:南極大陸周辺の海氷に関係があると関係すると思われるがメカニズムは不明

アジアモンスーンの強度が1000年単位の変動に強い影響を与えているのは何か?:海氷=海洋の熱に影響される事が知られているはメカニズムは不明

 

人類が今だ成功していない事

我々が現状最も有力な手がかりとする大気-海洋カップリングモデルによるコンピューターシミュレーションですら、古気候記録における様々な重要な特徴を再現できずにいる。(5ページ)

しかしながら、これらのモデルが完全に過去を再現できるようになるまでは、シミュレーションで得られる化石燃料起源の二酸化炭素の影響には確証は持てないのである。(18ページ)

蛇足

シュミレーションは思考によるモデル化があって生まれる。 地球の気候変動モデルは

変数が多すぎてモデル化できていない。