毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

宇宙の形はドーナツ!

 トポロジカル宇宙 完全版―ポアンカレ予想解決への道

 根上氏は位相幾何学の研究者。本書はトポロジーを使って宇宙の形を想像する方法を展開する。

宇宙の前提条件(かっこの中は地球との比較)

・宇宙は果てが無いのに有限(地球の表面が果てがないのに有限と同じ)

・宇宙はどこに行っても局所的には3次元ユークリッド空間が成立する。(地球の表面ではどこでも座標軸で局所的な地図がかける。)

・宇宙全体を宇宙自身の中で縮小することはできない。(地球の表面には「隅っこ=果て」が無いので縮小できない→例えば赤道で二分割すれば縮小できる)

 

トポロジーによる変化

 トポロジーtopology位相幾何学とは「やわらかい幾何学」として知られる、比較的新しい分野、トポロジーの名称はギリシャ語のトポスとロゴスの合成に由来するもので、直訳すれば「位置の研究・学問」である。(wiki)

f:id:kocho-3:20131215093746p:plainGluing a Torus - YouTube

図による「三次元トーラス宇宙の種類3のハンドル体二個への分割」の理解

種類3のハンドル体とは3つの穴の開いた浮輪、この浮輪2つを使って宇宙の形を表現しようとするもの。トポロジーによって形を変形させる。

f:id:kocho-3:20131215100134p:plain

(82-85ページ)どうして宇宙8種類に

幾何化予想が想定した宇宙の形に「三次元トーラス宇宙の種類3のハンドル体二個」が入っているかがこれで理解できる。

f:id:kocho-3:20101005112253j:plain

(NHK100年の難問はなぜ解けたか?)

蛇足

宇宙に果てはあるの?子供からの質問に「宇宙の形はドーナツ!」と答えたい。