DNAのできること タンパク質合成の指令をだすこと
DNAというと遺伝子、世代を超えてゆっくり変化する静的なイメージを持ってた。種のレベル、個体レベル、で言えばその通り、一方生物を構成する細胞のレベルではまったく違う速度で機能している。
本書はJT生命誌研究館の工藤氏と中村氏による付属のDVDがメインとなる本。
DNAが体の中、細胞の中で働いている様子の映像です。DNAという物質は「生きている」を支えているものなのだなと感じていただきたいのです。ここからDNAの持つダイナミズム、生きていることのみごとさを感じとっていただけますように。(5ページ)
DNAは①タンパク質をつくる指令を出すこと、②自分自身を複製すること、③少しづつかわること、本DVDではこの3つを映像化しているが①の部分にフォーカスする。DNAはタンパク質を作ることにより細胞の性質を決めている。このプロセスは以下の通り
ⅰ核の中に補完されているDNAはmRNAに転写され、核の外に出る。
ⅱ細胞の中でmRNAの塩基3個毎にコドンという暗号表でアミノ酸に置き換えられる。
ⅲアミノ酸がいくつか結合しタンパク質が生成される。
1秒間に40塩基の猛スピード
DNAからmRNAに一秒間に40塩基というスピードで転写される様子がCG化されている。DNAの静的なイメージから動的なイメージに変わる。DNAは核の中に納まっていて守られている。一方生命活動を行う細胞は常にダイナミックに動いている。これをつなぐmRNAは高速で転写されなければ恒常性を維持できない。このCGは着色は理解の為であり別として、DNA、mRNA、アミノ酸、タンパク質、それぞれの大きさの関係まで考慮してあるとの事、一見の価値がある。
蛇足
mRNAのスピードは「川の流れ」の様、エントロピーに棹さして代謝を支えていく為にはスピードが必要と実感できる。