毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

ヒッグス粒子の次は暗黒物質?

ヒッグス粒子の発見に貢献したのがCERN。

スイスのジュネーヴ西方にある、スイスとフランスの国境をまたぐ地域に、2つの研究地区といくつかの実験施設がある。

地下には 全周 27km の円形加速器・大型ハドロン衝突型加速器 (LHC) が、国境を横断して設置されている。(Wikipedia)総工費は8,000~10,000億円。ヒッグス粒子を発見するという成果を上げた訳だが一言で言えば加速器により宇宙の始まり=ビックバンを再現したのである。物質はどうやって生成されたか?ヒッグス粒子が捉えられた事で仮説から事実へと変化した。

暗黒物質

宇宙の構成要素のうち我々の考える物質は全体のわずか5%、残りは暗黒物質23%と暗黒エネルギー73%である。暗黒物質スターウォーズに出てきそうな名前である、既に概念は論理化されている。

村山氏は素粒子論の研究者。宇宙は本当にひとつなのか―最新宇宙論入門 (ブルーバックス) ではかなりの部分を暗黒物質の解説を行っている。暗黒物質の候補,WIMP「ほとんど反応しない素粒子=weakly Interacting Massive Particles」、ヒッグス粒子が捕獲されたのと同様いつか捕獲される、その時に名前も変わるのであろう。

人間原理

人間が存在できるように宇宙の条件がそろえられているのは、ある意味当たり前のことなのです。宇宙のことを観測するのは人間です。人間が存在できる条件を満たしていないと人間が生まれません。人間が生まれないということは観測されないわけで存在しない、(191ページ)

International Linear Collider(ILC)

ILCという直線の加速器のプロジェクト誘致が報道されれいる。LHCが円形に対しよりピュアなデータがとれるのであろう。人間原理に従がえば新しい観測装置は新しい概念の発見を生む。それが暗黒物質であるかはわからないが、ILCも成果が間違えなく期待されるプロジェクトであろう。

蛇足

ILCの見積コストは8,000億円。