毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

Siriと技術的特異点

2045年問題とはいわゆるAIが人知を超える技術的特異点~今迄の未来予測等が限界となる臨界点~を迎える事による問題点と言える。

 2045年問題 コンピュータが人類を超える日 (廣済堂新書)

松田氏は宇宙物理学者でありSFの愛好家。本書では宇宙のモデリングの研究の為長年にわたる松田氏とコンピュータとの関わり合いを下にその変化を書いている。iphoneのSiriはコンピュータのインターフェースの高度化をまざまざと感じさせてくれる。この本がきっかけとなって私なりの考えが像を結んだ。

コンピュータ(以下「AI」と略す)について考えた事

①AIの高度化は脳とAIの情報処理の上でシームレスインターフェースを伴う。インターフェースの能力向上は人間の五感を拡大する事であり、脳はAIが集めた大量の情報から脳のパターン認識により情報を抽象化して判断する。

②AIの能力向上は望遠鏡の解析度の拡大と同様、世界を認識できる範囲が拡大する。これは宇宙、生命、等未知の世界の情報を整理する道具となる。

③脳は新たなインターフェースの先にあるAIを身体の延長としての道具として認識し、脳は変化に応じた思考法を獲得しより抽象度の高い概念によりパラダイムシフトを生じる。

④脳の質的変化速度はAIの質的変化速度を常に上回り、人間は常に主体的にAIをコントロールできる。

私は技術的特異点は発生しないと考える。