毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

一番画数の多い漢字は?

 子供達から聞かれて調べました。

一番画数の多い漢字は辞書に載っているのでは鹿が3つで麤(あらい、疎い)、31画だそうです。

 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%9F%E3%81%84%E3%81%A8

但しもっと画数の多い漢字があるそうで、雲が3つ、龍が3つで「たいと」とう漢字84画があるそうです。 

 漢字の不思議さ、面白さは、漢字は表意文字であり1字で多くの情報を伝達できる事、そしてその先に読み手の解釈あるいはイメージを可能とする柔軟性、だと思っています。

 漢文力 (中公文庫)

  登幽州台歌  唐 陳子昂(661-702)

  前不見古人
  後不見来者
  念天地之悠悠
  独然而涕下

 加藤氏は陳子昂の涙を「ちっぽけな自分は、かけがえがないゆえに、1個の全宇宙に匹敵する価値がある。自分ガイッマココニ在るコトノ凄さ。それを理屈ぬきで体感した瞬間、目から涙がさーっと出てきたのです」と解説しています。

 加藤氏のおっしゃるとおり様々な解釈があります。「陳子昂が自分が政治の中で出世できない悲しみを描いたものだ、」という解釈もあるそうです。(陳子昂は科挙に受かっていますのでスーパーエリートであった事は間違いなく世俗的には十分成功していたと思うのですが、、。)

 私はこの詩は「時間と空間、そしてそれを認識する私、」という極めて抽象度の高い思考の表現であり、この思考により自分とそれに繋がる宇宙のすべてが愛おしいが故に涙する、という心のゆらぎに繋がったと整理しています。

 子供達もこの漢詩を知っている様です、時間をかけてこの意味を共有できる機会を作っていきたいと思います。 

 加藤氏は中国の古典芸能である京劇の研究者ですが、書籍はどれも充実した内容です。