毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

ビジネス

タロットカードの愚者はなぜ小袋と花を持っているのか?~『「無知」の技法 Not Knowing』S・デスーザ氏×D・レナー氏(2015)

「無知」の技法 Not Knowing デスーザ氏、レナー氏は企業組織論などのコンサルタント、知識が高いほど、変化や未知のものの受け入れが遅れ、 既知のものへ執着し、盲信する。いわば知のパラドックス(逆説)だ。「知識」「知っていること」に焦点を置くあまり…

1984年アップルのCMが教えてくれること、ビジネスはパーソナルな感情に行き着く~『ムーンショット! -Moonshot』ジョン・スカリー氏(2016)

ムーンショット! -Moonshot! ムーンショットとは、シリコンバレーの用語で「それに続くすべてをリセットしてしまう、ごく少数の大きなイノベーション」のことをいう。パーソナルコンピュータとして生まれたアップルIIもそうだし、クリエイティブな人々に向け…

自分の仮設を信じて自分の感情を疑うこと~『ぼくらの仮説が世界をつくる』佐渡島庸平氏(2015)

ぼくらの仮説が世界をつくる 佐渡島氏はマンガなどの編集者、過去のデータを集めて仮説を立てるようなものは前例主義であり、新しいことはなにもできない。 感覚を研ぎ澄ませ自然と入ってくる情報をもとにして大胆に仮説を立て、それを全力で証明すること。…

今、未来は必ずやってきる、と実感していますか?~『できる社員は「やり過ごす」』高橋伸夫氏(2002)

できる社員は「やり過ごす」 (日経ビジネス人文庫) 高橋氏は経営組織論の研究家、上司の無理難題を「やり過ごし」、部下の「尻ぬぐい」までする人々、それは日本型年功序列型企業のもつ、未来傾斜原理が働いている。(2002) 未来を実感する 未来を実感する…

成長するには”退化を受け入れる覚悟”が必要~『ICHIRO×AKIO TOYODA』(2015)×『イチローに糸井重里が聞く』(2010)

2015 年10月東京モーターショーで、メジャーリーガー、イチローとトヨタ自動車の豊田社長の対談を見る。イチローは「後退を受け入ろ」と語る。 ICHIRO×AKIO TOYODA #11「ICHIRO×AKIO TOYODA(フルバージョン)」 - YouTube 成長するには後退もしないといけな…

チャレンジャーにとって、業界常識とは安易かつ”勝者の論理”である~『安売り王一代 私の「ドン・キホーテ」人生』安田隆夫氏

安売り王一代 私の「ドン・キホーテ」人生 (文春新書) 驚異の「26期連続増収増益」ドンキホーテはいかにして生まれたか?ドンキは幾多の困難に見舞われたが、安田氏はそのたびに徹底的に自らを追い込んで苦悶しながら考え続け、「逆張り」の視点で災いを福に…

創業=”自分の弱み”を他者との違いに転嫁すること~『フレッシュネスバーガー手づくり創業記』栗原 幹雄氏(2011)

フレッシュネスバーガー手づくり創業記 (アスペクト文庫 B 9-1) 栗原氏はフレッシュネスバーガーの創業者、大企業の重役室に収まり、会議ばかりの日々に虚しさを覚えていた「僕」は、ある日、格安の不動産物件に出会い、一目惚れ。自腹を切って、一人でハン…

大量生産はいつどこで始まったか?~『大量生産の社会史』アメリカ歴史博物館編(1984)

大量生産の社会史 アメリカ歴史博物館編纂、ネザン・ローゼンバーグ氏が大量生産がなぜアメリカで始まったのか、 を考察する。(1984) kocho-3.hatenablog.com アメリカ的製造方式 1851年のロンドンの水晶宮博覧会のときまでに、イギリス人が「アメリカ的製…

実質為替レート指数という言葉を知っていますか?~『戦後経済史』野口 悠紀雄氏(2015)

戦後経済史 野口氏はファイナンス理論の研究家、戦後70年をリアルタイムで生きた経済学者の集大成。(2015) 日本の経済のピークは90年代半ば 名目為替レートではなく、各国の物価上昇率の差を調整した実質為替レート指数をみると、円は90年代中頃に140前後…

モノとは非言語でグローバル、そして人の暮らしを変える~『メイカーズ進化論―本当の勝者はIoTで決まる』小笠原 治氏(2015)

メイカーズ進化論―本当の勝者はIoTで決まる (NHK出版新書 471) ”Gatebox”、面白そう! 小笠原氏は、秋葉原の“モノづくり"拠点DMM.make AKIBAをプロデュース、メイカーズの本質を「売れる」「作れる」「モノゴトで稼ぐ」で解説。(2015) http://make.dmm.com…

あなたは何にサインアップしていますか?~『超マシン誕生 新訳・新装版』トレイシー・キダー氏(1981)

超マシン誕生 新訳・新装版 1982年のピューリッツァー賞(ノンフィクション部門)を受賞した、ハードウェアとファームウェアを中心としたコンピュータ開発についてのベストセラー・ノンフィクション。 著者のトレイシー・キダー氏はノンフィクションライター…

アップルのCEO、ティム・クック氏はカリスマか?~『カリスマ論』岡田 斗司夫氏(2015)

カリスマ論 (ベスト新書) 岡田氏は社会評論家、「本物のカリスマ」の研究書であり、ノウハウ本でもあります。(2015) カリスマの語源 英語の charisma は、「一部の人々が持つ、他の人々を引きつけ感銘を与える強力な個人の性質」とされている。 より一般論…

ルイ ヴィトンが教えてくれる、ビジネスの構造~『ブランド帝国LVMHを創った男 ベルナール・アルノー、語る』B・アルノー氏(2003)

ブランド帝国LVMHを創った男 ベルナール・アルノー、語る ルイ・ヴィトンを筆頭に50以上の世界ブランドを束ねるブランド帝国「LVMH」グループ。その総裁ベルナール・アルノーがはじめて語る、ブランドビジネスの真髄。(2003) LVMH、誰もが入りたがる会社 1…

株式会社とは”自己強化型ループ・システム”のことである~『世界はシステムで動く』ドネラ・H・メドウズ(2015)

世界はシステムで動く ―― いま起きていることの本質をつかむ考え方 メドウズは1972年「成長の限界」の主筆、複雑なことを紐解く、物事を大局的にとらえる…ドネラ・メドウズが自身の思考法(=システム思考)を全公開。(2015) システムとは何か システムとは、…

フォードは自動車、大衆社会、そして大企業を作った~『藁のハンドル』ヘンリー・フォード(2002)

藁のハンドル (中公文庫―BIBLIO20世紀) アメリカの自動車王ヘンリー・フォードは、今世紀のはじめ今日の資本主義の基礎を築いた起業家のひとりであり、自動車の大量生産方式を確立した人物である。大企業の目的は人々を貧困の辛い労働から解放し生活を楽しめ…

あなたは何で「モテたい」か?~『一行バカ売れ』川上徹也氏(2015)

1行バカ売れ (角川新書) 川上氏はコピーライター、大ヒットや大行列は、たった1行の言葉から生まれる! 「結果につながる」言葉の書き方をコピーライターの著者が伝授!(2015) 売りにつながる欲望10 欲望の英語Desireの頭文字と数字の10を合わせてD10と略す…

パラダイムには善玉と悪玉がある~『パラダイムの魔力 新装版』ジョエル・バーガー氏(新装版2014)

パラダイムの魔力 新装版 バーガー氏は経営コンサルタント、頭がよく常識ある人ほど、将来が見えずに取り残されてしまうのはなぜなのか?思考を縛る足かせでもあり、将来を予見して成功に導く魔法の杖にもなる「パラダイム」を解説。(原著は1992年、新装版は2…

大企業はいつ出現し、どうして大企業になったのか?~『アメリカ経営史』ADチャンドラー (1986)

チャンドラーアメリカ経営史 ADチャンドラー(1918-2007)アメリカの歴史学者、米国大企業発展の歴史が専門。(1986) そもそもいつ大企業は生まれたのか、なぜ大きくなったのか? 大企業は1880年に突如として出現 大規模な近代産業企業の独特の特徴とは、大…

大企業で"出世"するルールを知っていますか?~『ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか 』梅田 望夫氏(2007)

ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書) 梅田氏は米国在住の経営コンサルタント、現代は、江戸から明治に匹敵する「時代の大きな変わり目」だ。ウェブという「学習の高速道路」によって、どんな職業の可能性がひらかれたのか。(2007) 本…

ロングテールは有名、ではその反対は何?~『ロングテール‐「売れない商品」を宝の山に変える新戦略』

ロングテール‐「売れない商品」を宝の山に変える新戦略 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫) アンダーソン氏はハイテク雑誌の編集者などを経験、ニッチ商品の集積が、メガヒットの収益を凌駕する!ITの進歩によって多数の非ヒット商品の管理・宣伝コストが限り…

いつか社長になる貴方に贈るスキル、知的精神文化遺産を創る~『経営戦略を問いなおす』三品和広 氏(2006)

経営戦略を問いなおす (ちくま新書) 三品氏は経営戦略論の研究家、目指すべきは、長期で見た利益を最大化することである。それを実現する戦略はマニュアル化になじまず、突き詰めれば人に宿る。(2006) 社長にしかできないこと 大企業を観察していると、奇…

勇気を貰う言葉、「必要なのは勇気じゃない、計算である」~『ニコニコ哲学 川上量生の胸のうち』川上量生氏(2014)

ニコニコ哲学 川上量生の胸のうち ニコニコ動画を育てあげ、KADOKAWA・DWANGOのトップとなった川上量生氏が生き方、働き方の哲学を語りつくす。(2014) オープンになるほど多様性は減っていく (加藤貞顕氏)ニコニコ動画のように、ユーザーがいつでも作品を…

広告とは技術である"我々は売る、そうでなければ存在する価値がない。"~『ある広告人の告白[新版]』デイヴィッド・オグルヴィ(原著1964)

ある広告人の告白[新版] 広告の天才にして偉大なる経営者、デイヴィッド・オグルヴィによる広告人のための教科書。戦後、37歳でニューヨークを本社とする広告会社を設立、後に合併し、現在オグルヴィ&メイザーとして知られる国際的大手広告会社となる。1999…

経営コンサルタントが使う「仮想データベース」というスキルを知っていますか?~『スパークする思考 右脳発想の独創力』内田和成氏(2008)

スパークする思考 右脳発想の独創力 (角川oneテーマ21) 内田氏は経営コンサルタント、情報は、検索するな、覚えるな、整理しすぎるな。問題意識を持ち、アナログな情報に触れれば、アイデアや仮説が生まれる。『仮説思考』の著者であるトップコンサルタント…

凡庸なリーダーに必要なスキルとは何か?~『リクルートのDNA―起業家精神とは何か』江副浩平(2007)

リクルートのDNA―起業家精神とは何か (角川oneテーマ21) 江副浩平はリクルート創業者。1936- 2013、東京大学教育学部在学中より求人広告の仕事を手がけ、23歳で大学新聞広告社を創業。昭和38年に株式会社日本リクルートメントセンターとしたのち、「リクルー…

東芝が「サザエさん」の単独スポンサーを止めたのはいつだったか?~『広告やメディアで人を動かそうとするのは、もうあきらめなさい』本田哲也氏×田端信太郎氏(2014)

広告やメディアで人を動かそうとするのは、もうあきらめなさい。 本田氏は戦略広告コンサルタント、田畑氏は広告を出稿する立場、インターネットの普及などにより流通する情報量が爆発的に増える一方、 生活者はネットやHDDレコーダーなどを活用し、自分で情…

ディズニーランドをどうして「夢の王国」と呼ぶのか?~『ディズニーランドという聖地』能登 路雅子 氏(1990)

ディズニーランドという聖地 (岩波新書) 能登氏はディズニーランドにビジネスとして関わった経緯を持つアメリカ文化の研究家、カリフォルニアの「魔法の王国」ディズニーランドとは、いったい何なのか。(1990) ディズニーランド アメリカのカリフォルニア州…

ディズニーランドをどうして「夢の王国」と呼ぶのか?~『ディズニーランドという聖地』能登 路雅子 氏(1990)

ディズニーランドという聖地 (岩波新書) 能登氏はディズニーランドにビジネスとして関わった経緯を持つアメリカ文化の研究家、カリフォルニアの「魔法の王国」ディズニーランドとは、いったい何なのか。(1990) ディズニーランド アメリカのカリフォルニア州…

資本主義は世界をどうやって変えたか?1825年に始まる鉄道事業の歴史~『株式投資の未来~永続する会社が本当の利益をもたらす』ジェレミー・シーゲル氏(2005)

株式投資の未来~永続する会社が本当の利益をもたらす シーゲル氏は金融論の研究者、投資家に本当の利益をもたらすのは、企業の急成長ではなく永続である。(2005) アメリカの鉄道産業 1950年代半ば、傾きかけていた鉄道業界は、さらに二重の打撃に見舞われた…

コロンブスが新大陸を発見する航海は何カ月かかったか知っていますか?~『START INNOVATION ! with this visual toolkit.〔スタート・イノベーション! 〕』 H・F・ウルファン氏(2015)

START INNOVATION ! with this visual toolkit.〔スタート・イノベーション! 〕―ビジネスイノベーションをはじめるための 実践ビジュアルガイド&思考ツールキット H・F・ウルファンは、スタートアップのコンサルタント、どうやってイノベーションを起こすの…