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毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

太陽がある限り進化は終わらない~『情報と秩序:原子から経済までを動かす根本原理を求めて』C・ヒダルゴ氏(2017)

 情報と秩序:原子から経済までを動かす根本原理を求めて

セダルゴ氏は複雑系経済学の研究者、経済成長とはそもそも情報成長のひとつの表われにほかならない(2017)

情報とは

・・・本来情報は物理的なものだ。・・・確かに、情報は触れない。固体でも液体でもない。情報の粒子があるわけでもない。それでも、同じく固有の粒子を持たない運動や温度と同じくらい物理的なものだ。情報は実体を持たないが、いつでも物理的に具象化されている。情報はモノではない。むしろ、物理的なモノの「配列」、つまり物理的秩序といえる。たてるなら、一組のトランプを様々な方法でシャッフルした状態と同じだ。(20ページ)

地球は非平衡

地球は平衡に向かってまっしぐらに突き進む巨大な系―つまり宇宙―の内部にぼっかりと存在する、非平衡のポケットだからだ。実際、地球はいかなる平衡にも近づいてこなかった。地球の核の内部で起きている核崩壊と太陽のエネルギーが、地球を平衡から引っ張り出し、情報が生まれるのに必要なエネルギーを与えている。いわば地球は、宇宙という不毛の荒野のなかにある小さな情報の渦なのだ。(60ページ)

情報の成長

私たちの宇宙はいくつかの秘策を用意している・・・「非平衡系」、「固体での情報の蓄積」「物質の持つ計算能力」だ。人体や地球のように、情報がひっそりと身を隠せて成長していけるような小さな島やポケットのなかでは、この3つのメカニズムが連動して情報の成長を促している。

つまり、物理、生物、社会、経済のあらゆるものの成長の方向性を決めるのは、情報の蓄積、そして人間の情報処理能力の蓄積なのだ。・・・生命の誕生と経済の成長、複雑性の出現と富の創造をひとつに結ぶもの―それが情報の成長というわけだ。(26ページ)

経済成長とは何か?

・・・私たちが必死で解決しようとしている社会や経済の問題は、いかにして人間のネットワークに知識やノウハウを具体化するか、という問題なのである。そうすることで、私たちは人類の計算能力を進化させ、最終的には情報を成長させているのだ。つまり経済の本質である情報の成長は、人類が持つ集団レベルでの計算能力と、(人間の)想像の結晶(たるモノ)がもたらす増強効果との共進化によって生まれる。(230ページ)

 

情報と秩序

宇宙はエントロピーが増大し混沌に向かっている。しかし地球は太陽エネルギーによって一貫してエントロピーが減少、秩序が維持されている。著者は経済活動も生命活動も秩序がより整理され、複雑な構造が生じていく方向に変化していくと言う。その中心にあるのは情報であり、情報を閉じ込めた物理的な固体である。一人の人間が保持できる情報の量は限られているなか、多くの人がネットワーキングすることで集団としての情報処理能力は上がっていく。

この説明に従えば、経済成長は情報の交換スピードと交換対象をどうやって高めるか、これを一定期間継続できる主体の存在、ということになる。情報レベルで捉えると、地球、国、企業、家庭、様々なレベルでの集団の拡大は同じパターンで説明がつきそうである。

蛇足

太陽エネルギーを受容している限り、地球は進化を続ける

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