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毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

牛丼1杯の原価って、いくらか知っていますか?~『吉野家で経済入門』

 吉野家で経済入門

 「牛丼1杯の原価って、いくら?」企業秘密をそんなに明かして大丈夫ですか!?(2016)

2014年、熟成肉登場

一言で言えば「寝かせる」ということですね。・・・時間をおくことでタンパク質がアミノ酸のようなうまみ成分に変化するからです。

今まで、僕らは冷凍牛肉を使って、2~3日で回転するようにしていました。これを2週間、冷凍庫から冷蔵庫に移して寝かせれば、アミノ酸の値が増し、しかもペプチドという成分が増えて酸味が抑えられ、よりおいしくなることはwかっていました。ただ問題は、量なのです。・・・例えば1日に20トンの牛肉を使うとすると、2週間で280トンになります。・・・複数の営業冷蔵庫の取引先にご協力いただけて、2週間保管することが可能になりました。(39ページ)

熟成肉に変えるきっかけ

牛丼並盛の定価を280円から300円に引き上げたことですね。ちょうど消費税率が5%から8%に引き上げられるタイミングで、それだけなら290円にすればお釣りがくるぐらいですが、・・・300円台に乗せたい思惑があった。だから、合せてクオリティアップに取り組んだということです。・・・逆に言うと、商品開発の現場はもともと牛肉のクオリティアップ、つまり熟成肉のアイデアを温めてはいたんです。(41ページ)

値上げを浸透させるには?

(牛丼の価格を20円値上げした)ダメージがどれくらいあるか心配でした。・・・クオリティを上げるにはどういう手だてがあるか、・・・牛肉の「熟成」もその一つ。あるいはたれの素材の質を上げたり。・・・価格を上げる際に、メッセージとして伝えたんです。・・・実際、値上げの影響はほとんどなかったですね。客数のダメージはゼロではないでしょうけれど、ほとんど見えなかった。(136ページ)

価格を上げることはたいへん

「価格を下げることはある意味で簡単なことだ。低価格に対応するような仕組みの変化を実現すればよい。しかし、価格を上げることはたいへんだ。顧客に納得してもらわなくてはいけない」(137ページ)

吉野屋で経済入門

本書は2016年の発行、吉野屋が2014年に牛丼を値上げした経緯が当時の安部社長より克明に解説される。競合の値下げにより380円から280円へ値下げ、そして300円(現在は380円)へと値上げを行った。わずか2年前のことである。値上げをするには顧客が納得できる理由が無くてはならない。当たり前だが理由はより良い商品を提供すること、でしかない。

安倍氏は創業者松田氏の言葉「今は過去」という表現で吉野屋の価値観を説明する。松田氏は同業他者にもどんどん企業秘密を教えていたという。仮に他社が真似ても、吉野屋は先に行っていけばいいと言っていたそうだ。本書もそれに倣った様に、吉野屋の内幕が書かれている。

競合を見るのではなく、顧客を見る。競合を真似るのではなく、自分たちの価値観をつくり出し、それを顧客に提供する。企業という一つの組織が一つの価値観を追求したとき、そこに大きな価値が生まれる。

蛇足

牛丼の原価率は40%(ここまで書くか?)

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