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毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

牛丼に肉と玉ねぎしか入っていない訳~『吉野家 ~もっと挑戦しろ! もっと恥をかけ!』安部修仁氏(2016)

吉野家 ~もっと挑戦しろ! もっと恥をかけ!

 吉野家人生45年余りの安部会長の挑戦し、乗り越える人生、そして安部会長がオヤジと慕った松田氏をはじめとする先人の教えを吉野家のDNAとして今に、そして未来に引き継ごうとする安部会長の強い意志がこめられています。(2016)

 

客数主義、来店頻度主義

値段を上げて売上を増やすのではなく、お客さんの数を増やす。それには、リピーターの来店頻度を増やすこと。これは、今でも吉野家の根幹のポリシーになっています。・・・朝5時の開店と同時にお客様が殺到し、ピークタイムは立ち食い状態で、13時の閉店近くまで繁盛して(1965年には年商)1億円を達成します。わずか6~7分おきにお客様が入れ替わった計算になります。(48ページ)

高い回転率の源泉~すき焼き丼から牛丼へ

(それまでは)牛肉のほかに糸こんにゃくとか長ねぎ、たけのも、それに豆腐などが入っていました。

そこで、(実質創業者の)松田さんは考えたんですね。「いったい、お客様は何が食べたいんだろう?」と。答えが出ます。

「それは牛肉だ。それに加えるものがあるとすてば、玉ねぎだろう。なぜ、玉ねぎか。それは、玉ねぎの汁で甘みを出せるからだ。

牛肉と玉ねぎだけを残して、あとの具材はカットする。これで調理の手間が省け、その分早く牛丼を出すことができます。(50ページ)

年商2億円にするには?

牛丼だけの単品で、「年商1億円」という目標を達成した松田さんは、次の目標が浮かんでこなかった。・・・(チェーンストアコンサルタントの)渥美先生の「年商3億円突破」ゼミナールに参加し、「どうしたら年商2億、3億の店にできるか」を相談したんですね。すると、「1店で年商1億円、それを2億円にするなら、2店にすればいいじゃないか」と言われ、「あの時、震えるような感動があった。目から鱗が落ちた」と言っていました。今聞けば噴き出すほど滑稽な逸話ですが。(53ページ)

吉野家~もっと挑戦しろ!もっと恥をかけ!

吉野家の基本コンセプトは「はやい、やすい、うまい」。はやい、やすいを突き詰めていった結果誕生したのが牛丼というメニューだった。それに尋常ではないスピードで牛丼をサーブする。20席の店で1日1000食、年商1億円を達成する。その後多店舗展開を図るがそこで“やすい”が加わり吉野家の基本コンセプトが出来上がる。

経営とは与えられた環境という制約の中で何をやらないか?を考え、やれることに磨きをかけることだと改めて実感する。

安部氏は1992年から2014年まで創業者の後を引き継ぎ吉野家の社長を務め“ミスター牛丼”と呼ばれる。この間の大事件として、①倒産・再建(1980年)、②並盛250円セール(2001年)、③米国産牛肉輸入禁止(2003年)を上げる。外食という消費者関連のビジネス故、みな知られていた事件ではある。改めて考えてみるとどれも会社存続の危機に至る事態であった。それを吉野家は乗り切り、更なる成長の糧としていった。それは“与えられた環境という制約の中で何をやらないか?”という吉野家の原点に常に立ち戻ったからであろう。牛丼の引き算の美学は経営戦略の引き算の美学の原点であった。

蛇足

牛丼のネーミングは吉野家が作った。

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