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毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

すみません、どうしても仕事がうまくできません~『 不格好経営―チームDeNAの挑戦』南場 智子氏(2013)

 不格好経営―チームDeNAの挑戦

南場氏は1999年DeNAを設立、経営とは、こんなにも不格好なものなのか。だけどそのぶん、おもしろい。最高に。」――創業者が初めて明かす、奮闘の舞台裏。(2013)

 

 

 すみません、どうしても仕事がうまくできません

 

(最もお世話になったパートナー(共同経営者)に辞職の希望を伝えたところ)わかった、よくわかったからこのプロジェクトをやってから辞めろ、これは大事なプロジェクトだから力を貸してくれ、と言った。・・・これを最後に卒業しよう。せめて少しでも恩返しさせていただこう。・・・デキの悪い私が急にデキがよくなるわけなどない。ただもうできないことをさらけ出し、先輩やクライアントに助けてもらって仕事をした。マッキンゼーでは、「お前のバリュー(価値)は何だ、バリューを出せ」と念仏のように言われる。でも、もう辞めることが決まっている私は、自分のバリューなど気にならなかった。それまではバリューが出ていないことにもがき苦しみ、自分ができないことが悔しく、認めたくなく、どんどん肩に力が入っていったのだが、そのプロジェクトではそんなことをすっかり忘れ、仕事が前に進むことだけに集中した。・・・自分のダメっぷりが気になって硬く凝り固まったていた以前の私と本当に同じ人間かと思うくらい伸び伸びと活躍しはじめ、社会人になって初めて仕事が面白くなってきた。(64ページ)

コンサルタントから経営者へ

まず物事を提案する立場から決める立場への転換に苦労した。面食らうほどの大きなジャンプだったのだ。コンサルタントとして、A案にするべきです、と言うのは慣れているのに、Aにします、となると突然とんでもない勇気が必要になる。・・・プレッシャーのなかでの経営者の意思決定は別次元だった。「するべきです」と「します」がこんなに違うとは。・・・事業リーダーにとって、「正しい選択肢を選ぶ」こととは当然重要だが、それと同等以上に「選んだ選択肢を正しくする」ということが重要となる。決めるときも、実行するときも、リーダーに最も求められるのは胆力ではないだろうか。(205ページ)

優秀な人の共通点~素直だけど頑固

アクションに関するアドバイスをすると、必ず素直に、徹底的にやる。・・・(逆に)結論に関するアドバイスをしても心底納得するのに時間がかかる。・・・労を惜しまずにコトにあたる、他人の助言には、オープンに耳を傾ける、しかし人におもねらずに、自分の仕事に対するオーナーシップと思考の独立性を自然に持ち合わせている、ということではないかと思う。(217ページ)

不格好経営

南場氏はDeNAの創業者、マッキンゼーコンサルタント出身である。DeNAの今を見ると不格好経営どころか華やかな成功事例にしか見えない。南場氏はコンサルタント時代、成果を出せずに退社を覚悟していたこと、そしてその後の転機を書いている。成功とは無私、自分を勘定に入れないところ、にしか生まれない。私にはDeNAの成功の原点はこの時の原体験にあると感じる。南場氏が「人の力を信じて引き出せる会社にしていきたい」(65ページ)と言うからこそ、様々な人材が結集した。様々な人間が切磋琢磨してDeNAという組織を形成していった。南場氏は本書執筆にあたって「誰か他人の仕業と思いたいほど恥ずかしい失敗の経験こそ詳細に綴ることにした」(4ページ)。南場氏に感謝したい。

蛇足

無私、とは徹底的に合理的であること

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