毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

あなたの仕事は楽しいですか?~『マッキンゼー流 最高の社風のつくり方』N・ドシ氏×L/マクレガー氏(2016)

マッキンゼー流 最高の社風のつくり方

社員が生き残りをかけて同僚と戦うか,それとも勝つために競合他社と戦うか,それを決めるのは「社風」だ !(2016)

 

社風の良い会社

(米国のスーパーマーケットチェーンである)ホールフーズ社の社風に特別な力があるのは周知の通りだ。同社は2015年にフォーチュン誌の「世界で最も称賛される企業」の小売り部門1位に選ばれ、同誌の「最も働きがいのある企業100社」には18年連続で選ばれている。・・・(創業者の一人は)「純粋に仕事がもたらす喜びのため、そして、心の中ではっきり感じるサービスの必要性によりよく応えるために」働きたい、と述べている。(15ページ)

社風を数値化する~TOMO

わたしたちは独自の手法で、ホールフーズの従業員が仕事を通じて6つの動機をどの程度感じているかを調べた。彼らは、同業他社の従業員よりはるかに多くの楽しさ、目的、可能性(3つの直接的動機を感じており、一方、感情的圧力、経済的圧力、惰性(3つの間接的動機)ははるかに少なかった。結果としてホールフーズの総合的動機(Total Motivation)は、ライバル3社の平均値より3倍も高かった。このTOMOの高さこそが、同社の従業員に、家に帰りながらもなお仕事について考えさせ、ホールフーズを業界のリーダーにしているものなのだ。(16ページ)

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アップルストアは、同業他社の平均より14点高い。ノードストロームは15点、スターバックスは18点、サウスウエスト航空はライバル社より14点高い。

適応的パフォーマンス

戦略的パフォーマンスとは計画を実行する能力で、ほとんどの組織はこちらを重視する。一方、適応的パフォーマンスは、計画外のことをこなす能力で、こちらも等しく重要である。適応的パフォーマンスは反対の性質のもので拮抗するが、そのバランスの取り方を知っているリーダーはかなり少ない。(9ページ)

社風は(組織が不安定な環境下におかれた時に、)社員が当初の計画からそれて、臨機応変に対応できるかどうかを決める。高業績を導く社風は創造性、問題解決、粘り強さ、シティズンシップを刺激し、適応的パフォーマンスを増やす。以上のことから本書では、高業績を導く社風を、「TOMOを高め、適応的パフォーマンスを最大化するシステム」と定義する。(87ページ)

最高の社風のつくり方

米国で高業績と社風の良さで知られるホールフーズを研究する過程から、総合的動機(TOMO)という数値化の手法が編み出される。社風という曖昧な表現からデジタル化する所がいかにもアメリカらしい。

TOMOを測定するのにはわずか6つの質問に答えることになる。端的にいえば「今の仕事は楽しいか?」という問いに集約されるであろう。人間は自ら楽しいと感じた時最高のパフォーマンスを発揮する。会社が一貫したスタンスで人事システム、業績管理システム、組織構造などが設計された時最高のパフォーマンスが発揮されることになる。良い社風とは高業績に結び付く。

蛇足

自分で(自分の)TOMOを測定してみる

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