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毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

大切なのはパッションをどの方向に向けるか?~『USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか? 』森岡毅氏(2016)

 USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか? (角川文庫)

森岡氏はUSJの元CMO(チーフマーケティングオフィサー)、 後ろ向きコースター、ゾンビの大量放出、絶対生還できないアトラクション・・・斬新な戦略でV字回復活したUSJの軌跡をキーマンが綴る (単行は2014、文庫は2016)

 

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ユニバーサルスタジオジャパンUSJ

たとえ700万人台に落ちこんだとはいえ、集客施設として日本で2番目、世界でも有数の規模でした。・・・少なくとも一度は1100万人を集客できたのに、なぜその後はずっと700~800万人なのだろうと。・・・自分なりにこのパークは本来どの高さまで飛べるのかを、需要を推計するモデリングを複数使って試算してみたのです。

すると少なくとも年間1000万人レベルの総集客を維持継続することは可能であるという結論に至りました。(22ページ)

成長戦略構想

テーマパーク事業の最大のボリュームゾーンでありながらUSJの長年の弱点だった「家族連れ顧客(ファミリー)」を取り込むこと。(25ページ)

USJというブランドを、「映画の専門店」という妄想から、「世界最高のエンターテインメントを集めたセレクトショップ」へと脱皮させることでした。・・・なぜならば「映画だけ」のテーマパークでは、不必要に狭すぎるからです。(35ページ)

戦略的フレームワーク

戦略的フレームワークとは、目的→戦略(必要条件)→戦術(アイデアそのもの)順番で考えていくと、選択肢を合理的に絞っていくことができます。(142ページ)

USJの場合、小さな子供が親と一緒に楽しめるライドやアクティビティがたくさんある新ファミリーエリア「ユニバーサル・ワンダーランド」という具体的な戦術(アイデア)を生み出しました。必要条件が絞られたおかげで、例えばシニアを呼ぶためのアトラクションやプロモーションのアイデアを考える時間はゼロで済んだわけです。(146ページ)

世の中のUSJの認識を変える

どうすればハリーポッター(のアトラクション)がオープンする2014年夏までに、USJをメディアが扱わざるを得ない存在にするのかを(考えたのです)・・・。・・・USJはデフレ時代にあり得ない勢いでV字回復を遂げておりましたので、まずその認識を定着させる本を書く。・・・売れている本ならなメディア関係者は必ず読んでくださるので、私のメッセージは(メディアを通じて)届くべき人々に確実に届く。そうシナリオを描いて、この本の発売日は(アトラクションオープンの約半年前の)2月末と決めました。(234ページ)

USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?

ジェットコースターは、1000万人レベルを達成する目的のための戦術であった。沢山の戦術がある中で、上位の戦略、更に上位の目的と適切に設定されており無駄なことをやらずにファミリーを取り込む、ための戦術にフォーカスしたからである。だからこそ様々なアイデアが出てそれを実現していった。

本書文庫版のあとがきに、本書執筆の経緯が綴られている。本の執筆もまたUSJの成長戦略構想の一端を担っていたんのである。森岡氏はイノベーションの為にはフレームワークを使って合理的な思考をすることと同時に、コミットメントの重要性にも触れている。コミットメントとはやり抜く覚悟のこと。森岡氏はマーケティング=顧客との関係を如何に構築するか、あらゆる戦術を考えた。最後に成否を決めるのは、どれだけ必死に取り組めるか?、という情熱にかかっていた。

蛇足

合理的思考と熱いパッション

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