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毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

世界は未知と驚きに満ちている~『未知との遭遇【完全版】』佐々木敦氏(2016)

未知との遭遇【完全版】 (星海社新書)

佐々木氏は批評家、 我々は一度きりの生を、いかに肯定すべきだろうか?(2016)

 

未知とは何か?

「まだ起こっていないこと」「まだ知らないこと」「まだ出会っていないこと」は、要するに「未知」です。「未知なるもの」が無数に存在している。そしてそれら「未知なるもの」は刻々とこちらにやってきている。つまりわれわれは「未知」と「遭遇」しながら生きている。(330ページ)

そんな「未知」をリアルタイムにミックスするように生きることで、むしろ「現実」を肯定できるようになるのではないか。未知なるものが数多く存在する。そう考えるだけで、後悔や不安や諦念といったネガティブな心の働きが、一種の反動のようにして「現実への強い肯定」を形成してしまうのとはまったく違った形で、他でもないこ「この現実」を、ポジティブに認めることができるようになるのではないかと思うのです。(331ページ、アンダーラインを追加)

驚くことのできる能力

未知との遭遇」、それは第一に、驚くということです。この世界の中に、どれだけ驚くべきことを見つけられるか、どれだけ多くのことに驚けるか、それがそれぞれの人生の多様さと複雑さを、つまり豊かさを作り出すのだと思います。(339ページ)

ごく些細な、何でもないような日常の出来事にさえ、ひとはびっくりできる。こんなことの中にも驚きの感覚、センス・オブ・ワンダーはあるのです。つまり「未知との遭遇」とは、別段大仰なことである必要はない。むしろ驚く力、驚ける能力の方が重要なのです。(341ページ)

最強の運命論

「最強の運命論」とは、この世の出来事はすべてあらかじめ決定されているのだが、しかしわれわれは多くの場合、それを「偶然」としてしか受け止められない、ということでした。だから実のところ、やってみるまで何もわからないわけです。(302ページ)

A 決まってる。だからやらない。

B 決まってる。だからやってみる。

AとBはどちらも前提は同じ、結論も同じです。だとしたら結局は、どちらが愉しいか、どちらが自分の心に幸福を与えてくれるのか、ではないでしょうか。(303ページ)

未知との遭遇

佐々木氏は「この世で起こることはすべて決まっている。そして起きたことはすべていいことだ」という最強の運命論を提案する。我々の見て知っている現実はあくまで限られたもので、その背後には未知が沢山ある。そして未来からも未知がやってくる。

我々はその未知に驚くことを愉しむことができる。仮に未知なものが既に決まっていたとしても、我々はそれを確実に知る方法はない。だとすれば未知に積極的に向き合う方が愉しいに決まっている。

本書で好きな女性に告白する例が挙げられている。告白してYesとなるかNoとなるかは分からない。未知だからこそやってみる。だって、好意を寄せる女性に告白する、それはどきどきする経験なのだから。

古池や、蛙飛び込む水の音

我々は日常からでも非日常からでも驚くことができる。

蛇足

未知の存在を肯定する

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