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毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

日本は特別な国か?~『 世界史としての日本史 (小学館新書)』半藤一利氏×出口治明氏(2016)

 世界史としての日本史 (小学館新書)

 半藤氏と出口氏の対談、「世界のなかの日本」の地位を正確に知ることが、いまの時代を生き抜く最低限の教養なのだ。(2016) 

 日本特殊論の拠り所は、天皇

万世一系の王室が千年以上も続いたというのは、確かに世界的にも珍しい。ただ、この万世一系の天皇が、日本の歴史のなかでずっと中心の人であったかといえば、最初のころしか歴史には登場しない。・・・それが明治石以降、日露戦争に勝ったころから、「我が国は世界に冠たる国だ」という意識が芽生え始め、日本はよその国とちょっと違うんだというところを見せたいために、「うちの君主は万世一系だ。世界的にも稀なんだ」と、自慢し始めたように思うんです。(39ページ)

日本の劣等感

日露戦争の勝利から1945年8月15日の敗戦までがおおよそ40年なんです。それから、GHQの占領が終わった1952年から、強兵を捨てて富国だけを追い求め、ジャパン・アズ・ナンバーワンといわれ、バブルが崩壊するまでの大国日本の時代までがまた40年。

最初の40年は軍事大国でいい気になってガチンとやられて、次の40年は経済大国でまたいい気になってやられ、2回ぼろ負けして、凹んでいるのが今の日本なんだと思う。

今「日本は素晴らしい」といっているのは、2回とも負けたという劣等感を払拭するための単なる防衛反応ではないでしょうか。「(ナショナリズムとは)劣等感と不義の関係を結んだ(祖国愛である)」ことそのままのように思えますね。(54ページ)

日本の国家成立は、世界からかなり遅れていた。

日本の国が成立したのは6世紀から7世紀で、そのころに万葉集古事記、日本書記が出ています。・・・秦の始皇帝が中国を統一したのが紀元前200年ごろなので、中国に比べて千年近くも遅れていた。日本は非常に新しい国家だった。・・・世界史のなかで見れば、最近までずっと日本は周回遅れ、それも二周も三周も遅れた国だったわけです。明治維新で急激に代わって、ようやく世界に追いついてきただけです。(20ページ)

「日本は特別な国」という思い込みを捨てろ

上記引用は半藤一利氏の発言部分から引用した。世界史の中でみれば日本は特殊な国ではないという。日本が特殊な国だという根拠の根底には天皇制がある、と指摘する。しかしその天皇制は自尊史観のために明治維新時に形成されたものだという。戦後の自虐史観も自尊史観もすべては劣等感の存在故に醸成された。

どの国も自分の国は特殊な国、という思い込み、あるいは誇れる何か、があるのであろう。日本は象徴として万世一系の天皇制を選択した。他の国には違うもので象徴する。

世界史としての日本史という視点は日本の歴史を相対的に見ることである。そうすればナショナリズムに依存しなくても、劣等感と距離を保てる。

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