毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

Co2を悪者だと刷り込まれていませんか?~『地球はもう温暖化していない: 科学と政治の大転換へ』深井有氏(2015)

地球はもう温暖化していない: 科学と政治の大転換へ (平凡社新書)

 深井氏は金属物理学の研究家、いまだ広く信奉されるCO2地球温暖化原因説。だが太陽は寒冷化へのシグナルを発している。(2015)

 

 

地球温暖化の従来ストーリー

  1. 化石燃料を消費することに伴って、大気中のCo2が増える。
  2. Co2の増加は地球温暖化をもたらす。
  3. 地球温暖化はさまざまな害悪をもたらす。

だからCo2の排出削減に取り組まなくてはならない、ということになる。

地球温暖化を巡る正しいストーリー

  1. 気候変動の原因はC02だけでなく、太陽活動が重要である。これは自然現象であるから制御はできない。
  2. Co2による温暖化と太陽活動の変化による寒冷化は打ち消し合い、今後の気温は50~100年にわたってほぼ横ばいか寒冷化する可能性が大きい。
  3. 大気中のCo2増加そのものは何らの害ももたらさない。

正しいストーリー

  1. 大気中のCo2濃度を問題にするのではなく、炭素資源の浪費を防ぐエネルギー政策を追求すべきである。
  2. 温暖化防止一辺倒の政策は改めるべきである。

(176ページより抜粋)

Co2は生命連鎖に不可欠

大気中のCo2増加は今後100年間、問題にするほどの温暖化をもたらすことはなく、それ自体は何の害をもたらすこともない。それどころか、Co2は地上の植物と動物の命wおつなぐかけがえのない物質なのである。植物はCo2と水から光合成によって身体を作り、酸素を放出する。動物はその植物を食べ酸素を呼吸して命をつなぎ、Co2を放出する。この炭素循環によって地上の生命活動は営まれているのだ。(177ページ)

C02増加により緑化がすすんでいる

1982~2010年の大気中のCo2の増加14%によって植生の被覆率は11%増えている。同様の衛星観測によれば、1982~1999年の18年間に世界のバイオマス生産は6.2%増加していた。・・・解析の結果、この場合の変化の主因はCo2濃度増加によるものと結論されている。さらに米国農務省の統計によれば過去50年間に世界の穀物生産は3~4倍増加している。(178ページ)

Co2濃度の上昇はプラスである

Co2濃度が上がるにつれて(実験のイネの)生育がよくなっている。現在の濃度は約4000㏙だが、濃度が2倍になると成長は30%促進される。・・・実は、植物によってCo2が多いほどよいことは農業分野では周知の事実である。ハウス栽培に重油が欠かせないのは、保温のためよりはCo2濃度を高めて成長を促進するためであって、Co2濃度は2倍程度にするのが普通である。(179ページ)

地球は寒冷化へ

太陽地場は約20年前あkら急速に弱まり、宇宙線強度は強くなっているので、雲が増益音が低下するのは自然な成り行きである。(134ページ)

地球はもう温暖化していない

深井氏は物理学領域の研究家、気象の分野は本来専門外である。1990⃣年に国連機関IPCC気候変動に関する政府間パネル)が地球温暖化を提唱して以来、実際に平均気温は上昇したのは7~8年であり、近年平均気温は頭打ちになっており、かつ将来は寒冷化が見込まれているという。

温暖化は我々の生活実感にも反していない。それは都市化ヒートアイランド現象によるものの影響が大きいという。ジャングルがブルドーザーでなぎ倒され、砂漠化が進んでいる映像が強調されるが実体は緑化、特に穀物生産が増えている。言われてみればCo2は植物生育にプラスである。植物は太陽エネルギーのわずか0.1%しか利用していない。我々は食糧生産を増やせる余地がまだまだあるのである。

それではなぜCo2が悪者にされたか?それは政治的、端的に言えばお金のからんだ大人の事情としか言いようがない。

蛇足

恐竜と石炭の時代、Co2濃度はもっと高かった

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