毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

コンピュータは物理空間にあり、我々は情報空間にいる~『すべてを可能にする数学脳のつくり方』苫米地英人氏(2016)

すべてを可能にする数学脳のつくり方

数学的思考とは、ひらめきを大切する思考法のこと(2016)

 

数学とは何か?

数学とは「数学の宇宙があることを前提とする学問」だ。・・・数学宇宙とは、物理宇宙以外の数式で表される世界のこととなる。・・・物理空間から離れて情報空間を自在に構築することである。・・・数学的思考というのは、具体定期には情報空間の中で、数式を図形化あるいはビジュアル化する能力をいうのである。(55ページ)

人間の思考は情報空間にある

人間の思考は情報空間にあって現実の世界、つまり自然界にはない。・・・我々の頭の中にある想像が自然界に出現するはずがない。ただ、人間はその想像を自然界にフィードバックすることができる。(126ページ)

数学とは情報空間に存在する

数学は自然界にあるものではない。たとえば数を数える時1,2,3といいながら我々は指を折っていくが、この行為そのものがそもそも想像の産物だ。・・・1というのは、人間が頭の中で、指1本とすると決めているからだ。しかもこういうルールを我々は他人と共有している。一体どこで共有しているかといえば、それが情報空間だ。数学が自然界ではなく、情報空間のものであることに証だ。・・・その一方で、コンピュータの情報処理に代表される論理は自然界にしかない。物理空間からでることができないのだ。(127ページ)

コンピュータは物理空間に存在する

コンピュータというと情報空間に存在するとイメージする。しかしコンピュータは物理空間に存在し、人間の思考の一部分である論理的思考を高速に実行している。

一方我々は論理的思考だけで解決できない問題=コンピュータが計算できない課題、にも何らかの判断を行っている。その判断は物理空間を離れた情報空間の中で行われていることになる。だからこそ我々は物理空間という制約を離れ、本人すら想像できなかった判断を下すことができるのである。

物理空間の中で働かせる能力(の一つ)が数学的思考である。苫米地氏は数学とは「問題を解くための道具ではなく、問題を見つけ出す」ためのものである、と表現する。コンピュータは物理空間で問題を解決するための道具であり、数学は情報空間で問題を見つけだす為のプロセス、ということになる。

確かに-1は物理的には実在しないが、-1を使うことによってより柔軟な思考ができる。我々の思考は物理空間を離れた情報空間に存在するのである。

蛇足

我々は思考を共有できる、だから情報”空間”と呼べる

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