毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

人生の選択において最良の結果を得る方法~『Who Gets What―マッチメイキングとマーケットデザイン』アルビン・ロス氏(2016)

Who Gets What (フー・ゲッツ・ホワット) ―マッチメイキングとマーケットデザインの新しい経済学

  アルビン・ロス氏は「マーケットデザイン」の研究で先進的な成果を挙げ、2012年のノーベル経済学賞を受賞した。(2016)

 

マッチメイキング

マッチングとは、私たちが人生のなかで、自分が選ぶだけでなく、自分も相手に選ばれなければ得られない多くのものを手に入れる方法を指す経済学用語だ。(10ページ)

マッチング市場では、価格はそのような(需給を調整する)役割を果たさない。・・・・大学入試と就職の市場は、求愛と結婚にとてもよく似ている。どちらも双方向のマッチング市場で、双方が相手を探し、相手の歓心を買う必要がある。「誰が何を手にいれるか」を決定づる要因が価格だけでないとき、市場は必ずマッチングが行われる。(12ページ)

マーケットプレイス

(マッチングが行われる)マーケットプレイスは、ルールが存在することを知ったうえで参加者が集まるという点で、レッセフェール(自由放任主義)とも異なる。

マーケットプレイスがうまく機能するためにまず何より必要なのは、取引を希望する参加者を大勢集めて、彼らが最高の取引を探しあてられるようにすることだ。参加者が多く集まる市場には厚みがある。(16ページ)

 

就職市場におけるマッチメイキング

就職を希望する複数の応募者と採用を希望する複数の雇用主は、

  1. 事前に面接と会社紹介により応募者と雇用主は相手方の情報を事前に十分に入手する
  2. 応募者と雇用主はマーケットプレイスに、相手を希望する順位を非公開に提出する
  3. 雇用主は自分の順位に従って内定を出す。
  4. 応募者は来た内定を一旦受けいれるが、自分がもっと高順位で希望する他の雇用主から内定が来た場合には変更する

これらの一連の動きはコンピュータ内で処理をするため、決定と伝達による遅延は発生しない

マッチング市場とは

マッチング市場―価格がすべての役割を担わず、また誰と取引をするかが問題になる市場―がいたるところに、そして人生の重要な節目ごとに存在することがわかるだろう。・・・(マーケットプレイスは)意図的にデザインされたものであれ、偶然に導かれて徐々に発達してきたものであれ、必ずルールをもち、そのおかげで適切に機能することができる(が、できないこともある)(304ページ)

Who gets what and why?

マッチング市場は、多くの参加者がいて、参加者は事前に情報を十分に交換しあっており、マッチングは瞬時に行わる、場合において最高の結果が得られることになる。

我々の人生において重大な選択、入試、就職、結婚、をマッチング市場と考えるとどうすれば良い結果―希望する大学であったあり、理想の伴侶であったり、―を得るにはどうしたら良いかのヒントが得られる。

もし結婚相手を探すのであれば、マッチングの前に自分の情報と相手の情報を十分に交換し認識しておくことが重要になる。まずは多くの潜在的候補者に自分の情報を発信しないとすべてが始まらないことに気づく。マッチメイクを翻訳すると縁結び。そうか、仲人の役割とはこのことだったのか。

蛇足

まずはマッチメイカーに情報を発信する

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