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毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

老化とは進化が放置をしてきただけ、である~『寿命1000年―長命科学の最先端』ジョナサン・ワイナー氏(2012)

寿命1000年―長命科学の最先端

ワイナー氏はサイエンス・ライター、 ヒトの寿命は1000歳になる――一見失笑ものの主張がいかに現実味を増しているか。TEDコンファレンスでも著名なデ・グレイらによる先端長寿科学の成果とその限界を、あくまで科学的に紹介。(2012)

老化とは何か?~「使い捨ての体」

ゾウやタンポポは生命の表舞台から自ら退き、新しいゾウやタンポポに居場所を譲るための適応として老衰を進化させたわけではなく。死は適応ではないのだ。・・・動植物はそうした問題(老年性疾患)が実際に起きるほど長生きせず、(老年性疾患を引き起こす)これらの遺伝子に存在する理由がないからだ。いずれにしても、老年性疾患が発症するはるか前に死に絶えている。(108ページ)

自然界では、私たちの遠い祖先は1歳から2歳まで生きるのすら難しく、12歳や20歳まで生きられるのはごく一握りの幸運な人に限られていた。そこで私たちの体はすべての資源を20歳までの健康維持につぎ込み、その後については知らんぷりを決め込んだのだ。(112ページ)

私たちの遺伝子は、完璧な人生―充実した長い人生より、完璧な仕事―繁殖の仕事を選んだのである。私たちの遺伝子は、はるか昔に、はるか遠くでこの選択をした。そしていま、好むと好まざるとにかかわらず、私たちの体はいけにえとなったのだ。(117ページ)

私たちがなぜ死ぬのか知りたいなら、まず自分たちが死ぬと決めてかからぬことだ。老化は適応でも偶然でもない。死は自然淘汰によって生まれたわけでなく、自然淘汰の力がおよばない部分があるだけなのだ。(125ページ)

老化への対応~デ・レクの説

デ・レクは「使い捨ての体」説を思い出してくれと言った。繁殖期をすぎると体は使い捨てられるためにゴミがたまるという説だ。繁殖期が過ぎると体は使い捨てられるためにゴミが溜まるという説だ。それはきわめて単純なごみ処理の問題だという。私たちの体は自分たちが望むほど長持ちするようにはできていない。ならば、どんどん修理すればどうか。・・・手間を惜しまずに手入れすれば、家は長く持つ。それなら、自分の体についても同じことをしないのか。・・・家を維持管理するのに家を建てる能力は必要ない。(161ページ)

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オーブリー・デグレイ 「老化は避けられる」 | TED Talk | TED.com

寿命1000年

本書ではケンブリッジ大学、老年学研究のデ・レク教授の説、老化の原因は7つの物質が溜まることによって引き起こされる。これを排除できれば1000年以上の寿命を持つことになる、という主張が紹介される。

老化の原因で真っ先に上げられるのは「コラーゲンを硬くして皮膚にしわをつくる架橋結合によって生じる終末糖化産物」である。この糖類を選択的に除去すればいいことになる。

もちろん現時点で終末糖化産物を始めとする7つの物質を取り除く“工学的戦略”(185ページ)は未だ確立していない。

今我々が認識すべきは、老化は進化の結果であり避けられないもの、ではないかもしれないという可能性である。1000年の寿命でなくても、控えめに言って平均年齢の倍、170年の寿命を持つとしたらどうするか?老化による体のゴミを除去する方法が少しでも可能となればその分寿命は伸びる。寿命が80年延びるだけでも、我々の生命感には大きなインパクトがある。老化は進化の結果ではなく、進化から放置されてきただけである。

蛇足

知識が生命感を変える

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