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毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

我々には生きのびようとする機能が組み込まれている~『生物はなぜ誕生したのか:生命の起源と進化の最新科学』Pウォード氏×Jカーシェヴィンク氏(2016)

生物はなぜ誕生したのか:生命の起源と進化の最新科学

ウォード氏は「恐竜はなぜ鳥類に進化したのか」の著者、カーシェヴィンク氏は全地球凍結(スノーボールアース)の発見者。生命は火星で誕生し、大気組成などの地球環境の劇的な変化が、幾度もの大量絶滅とそれに続く進化を加速させた!(2016)

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動物の多様性は酸素濃度と関係

分類学上の多様性は(少なくとも海洋動物については)酸素濃度と関連しているように思える。これは予想の範囲だ。どんな動物でも、無酸素状態への耐性は低いからである。予想外だったのは、新たな分類の誕生率(種または属の数で表す)が酸素濃度と反比例しているように見える点だ。たとえば5億4500万年前~約5億年前(カンブリア爆発)には新しい種類の生物が多数生まれたが、それが起きたのは酸素濃度が14~16%で推移した時期だった。(現代は12%)シルル紀石炭紀に酸素濃度が著しく上昇したときは、新しい属の誕生率が最も低かった時期と重なる。(184ページ)

低酸素時に新種が誕生する

酸素濃度が高い時期は、国が好景気に沸いているときに似ている。失業率は低く、商売は繁盛して倒産は少ない。半面、新興企業の誕生はあまり多くない。新興企業は不景気のほうと縁があるように思える。切羽詰まっているときには新しいアイデアが受け入れられるし、新たなリスクも厭わないものだ。・・・(高酸素には)種の数は多く、新たに現れるものは少ない。ところが低酸素になると、高酸素期より新興の種の数が増えるものの、それを上回る率で既存の種が滅びていく。・・・低酸素と高二酸化炭素が組み合わさると、斬新な新機軸が登場することで種の形成が促される反面、絶滅率は大幅に向上する。(186ページ)

生命は生き延びる

(生命が誕生したと考えられる)約35億年前より古い時代に海面から突き出ていたものがあったとすれば、火山の不安定な頂がせいぜいだったと思われる。水に満ちた世界は(生命の源となる)リボースの形成にはあまり適さない。たんぱく質や核酸といった大型の分子をつくるにもまったく不向きである。・・・45億年前から現在までに、10億トンを超える火星の岩石が地球に飛来した。だとすれば、生命がまず火星で生まれ、それから隕石に載って地球にやってきたという可能性は検討に値する重要なものといえる。・・・(2012年火星探索の結果から火星は)火山岩でできていて、豊富な水の流れと海があって、水の循環が活発であれば、生命が存在したと考えるのが妥当だ。(76ページ)

地球の生命は本当に火星で誕生したのかもしれない。そして火星を去るか滅びるかの選択に直面した。生き延びることが、紛れもなく私たちの遺伝子に刻まれている。(409ページ)

生物はなぜ絶滅しなかったのか?

本書によれば動物の斬新な種は低酸素時代に誕生するという。しかし同時に既存種の絶滅を招く。高酸素になると低酸素を生き延びた種が一斉に繁栄を謳歌、種の数も増えることになる。

著者はそれを生物の遺伝子に刻まれている生き延びる本能であるという。35億年前地球で生命が誕生した時、地球には生命誕生に相応しい環境はなかった。その時火星には生命誕生に相応しい環境、水と陸地があった。我々の遺伝子は火星から地球に飛来してきた可能性を指摘する。そして遠い将来太陽系もまた老いていく。その時生命はまた生き延びようとする遺伝子に従って行動することになると言う。

生物の遺伝子には生き延びようとする機能が全員に刻み込まれ、だからこそ今生物が存在する。最新の進化生物学はこの事に気づかせてくれる。

蛇足

地球上の生命のデザインはすべて共通

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