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毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

日本海は対馬海流が流れ込閉鎖海洋だった~『日本海 その深層で起こっていること』蒲生俊敬氏(2016)

日本海 その深層で起こっていること (ブルーバックス)

 蒲生氏は化学海洋学の研究家、「母なる海」、日本海の知られざる姿を解き明かす。(2016)

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日本海の特徴①外部の海とつながる海峡が浅く、地形的な閉鎖性が強いこと

(日本海の)最大水深は約3800メートルもありますが、周囲の海との接続は四つの海峡に限られています。そのいずれもが浅いため、周囲の海との関係は薄く、強く閉鎖されています。最も深い対馬海峡津軽海峡の水深でさえ、わずか130メートルです。

日本海の特徴②対馬暖流がつねにながれ込んでいること

表面海流としては唯一、黒潮の分岐流と台湾暖流とが合流した対馬暖流が、対馬海峡から日本海に流れこんでいます。対馬暖流によって日本海表面水の塩分が高く保たれ、また、日本列島の日本海沿岸地方に温暖な気候がもたらされます。

日本海の特徴③冬季に北西季節風が吹き抜けること

冬の日本海は、寒冷な北西季節風にまともにさらされます。・・・日本海表面から水蒸気を吸い上げて巨大な雪雲をつくり、日本列島に大量の積雪(淡水)をもたらすこと、もう一つは、日本海北部から北西部にかけての表面海水を冷却・高密度化して沈降させ、日本海の海水を上下にかき混ぜる(熱塩循環を促進する)ことでした。(30ページから抜粋)

日本海、その深層で起こっていること

 

日本海には塩分の高い対馬暖流が流れ込んでいる。塩分の高く密度の高い対馬暖流が冬の季節風で冷却されると更に密度が高くなり、海底に向かって沈下していくという。熱塩循環によって日本海の海水は浅層と深層が10~20年のサイクルで攪拌されている。

上下の攪拌が発生しないなら

日本海では通常は熱塩循環が機能するが、氷河期には水位の低下によって対馬海流の流れ込みが低下、熱塩循環機能が低下したとされる。この場合海底は無酸素状態になり、海底に沈下する生物死骸は酸化分解されず堆積することになる。この有機物の堆積が海底のメタンハイドレードの下になる。

日本海はわずか0.3%

日本海は全海洋に対して表面積で0.3%、体積で0.13%を占めるに過ぎない。蒲生氏は日本海と世界の海は同様のメカニズムで動いているという。日本海を研究することで世界の梅が見えてくる。

蛇足

18世紀初頭、ロシアが日本海と命名した

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