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毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

我々は移動する自由を持っている~『植物はなぜ動かないのか: 弱くて強い植物のはなし』稲垣栄洋(2016)

生物

植物はなぜ動かないのか: 弱くて強い植物のはなし (ちくまプリマー新書)

 稲垣氏は雑草生態学!の研究家、弱そうに見えるたくさんの動植物たちが、優れた戦略を駆使して自然を謳歌している。植物たちの豊かな生き方に楽しく学ぶ。(2016)

 

 

草は環境変化に対応して進化 

巨大な大木となる「木」と道ばたの雑草のような小さな「草」では、進化の過では、どちらがより進化をした形だろうか。(77ページ)

白亜紀の終わりごろ、それまで地球上に一つしかなかった大陸はマントル対流によって分裂し、移動を始めた。そして、分裂した大陸どうしが衝突すると、ぶつかった歪みが盛り上がって、山脈を作る。すると山脈にぶつかっ風は雲となり、雨を降らせる。こうして地殻変動が起こることによって、気候も変動し、不安定になっていったのである。・・・(不安定な環境では)いつ大雨が降り、洪水が起こるかわからない。そんな環境ではゆっくりと大木になっている余裕がない。

そこで、短い期間に成長して花を咲かせ、趣旨を残して世代更新する「草」が発達していったのである。その後、目まぐるしく変化する環境に対応して、草は、爆発的な進化を遂げた。(79ページ)

命短く進化する

木になる木質性の植物は何十年も何百年も生きることができる。なかには屋久島の縄文杉のように、樹齢が何千年にも及ぶものさえある。一方草木性の植物の寿命は1年以内か、長くてもせいぜい数年である。・・・千年の寿命を生き抜くことは難しい。・・・植物は寿命を短くし、・・・次々に世代を更新していく方を選んだのである。(81ページ)

草と木の区分

生物学では、形成層の有無によって木(木本)と、草(草本)を区別している。

木の樹皮の内側には、薄い形成層と呼ばれる組織があり、形成層が成長して幹が年々太くなるのに対し、草は形成層がなく、ある程度成長すると茎(木の幹に相当する部分)は太くならなくなる。「木」と「草」の違い | 違いがわかる事典

植物は変化する

植物は動かない、あるいは動けない。環境の変化に対し場所を動かすのではなく自分の形態を変化させてきた。植物は陸上に進出すると大木を目指し森林を形成する。白亜紀後期に環境が目まぐるしく変化するようになると再び小さな草に変化した。千年の寿命を諦め、1年の寿命を1000回繰り返すことで更に進化のスピードを上げた。

木と草、本質的な違いはない。動けない代わりに植物が変化した結果である。我々が気づくべきは選択枝があるということ。

我々は形を変えずに動いてもいいし、形を変えて動かなくてもいい。

植物はそのことを教えてくれる。

蛇足

竹は草と木の境界線にいる

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