誰にでも世界の素晴らしさを味わうことができるとしたら、~『アルケミスト―夢を旅した少年』パウロ・コエーリョ氏(1988)
アルケミスト―夢を旅した少年 (角川文庫―角川文庫ソフィア)
コエーリョはブラジルの作家、羊飼いの少年サンチャゴは、アンダルシアの平原からエジプトのピラミッドに向けて旅に出た。そこに、彼を待つ宝物が隠されているという夢を信じて。長い時間を共に過ごした羊たちを売り、アフリカの砂漠を越えて少年はピラミッドを目指す。「少年は、錬金術師の導きと旅のさまざまな出会いと別れのなかで、人生の知恵を学んで行く。(1988)
錬金術師の言葉
お前が何かを望む時には、宇宙全体が協力して、それを実現するために助けてくれるのだよ(28ページ)
人は、自分の夢見ていることをいつでも実行できることに、あの男は気づいていないのだよ(29ページ)
結局、人は自分の運命より、他人が羊飼いやパン屋をどう思うかという方が、もっと大切になってしまうのだ。(30ページ)
人生のすべてには代価が必要だとういうことを学ぶことができてよかったではないか。(32ページ)
宝物を見つけるためには、前兆に従って行かなくてはならない。(36ページ)
これからおまえがやってゆくことは、たった一つしかない。(38ページ)
幸福の秘密とは、世界のすべてのすばらしさを味わい、しかもスプーンの油ことを忘れないことだよ(40ページ)
アルケミスト~夢を旅した少年
アルケミストとは錬金術師のこと。錬金術師は「おまえの羊の十分の一をわたしにおくれ」「そうすれば、どうやって隠された宝物を探せばいいか、教えてあげよう」(26ページ)と言う。錬金術師は少年に語って聞かせ、少年はピラミッドを目指して出発する。
錬金術師のアドバイスを要約すれば、『自分が本当にやりたいことを本気でやれば、皆が助けてくれる。新しいものを手に入れるには今持っているものを手放すことが必要。本当にやりたいことを実現するには世界を相手に、やりたいことを忘れないこと』と理解した。
「世界のすべてのすばらしさを味わい、しかもスプーンの油(本当にやりたこと)を忘れないことだよ」本書は誰でもこのことができる、と伝えてくれる。
蛇足
多くの人がスプーンの油が何だったか、忘れてしまう。
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