毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

光合成を最初に始めたのは何だったか?~『光合成とはなにか―生命システムを支える力』園池公毅氏(2008)

 光合成とはなにか―生命システムを支える力 (ブルーバックス)

 園池氏は光合成の環境応答の研究家、光のエネルギーで生きることを選んだ「植物という生き方」を考えてみよう。(2008)

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シアノバクテリアの誕生

おそらく今から27億年ぐらい昔、地球上に水を分解して酸素を発生する生物が出現しました。これが酸素発生型の光合成生物です。…新たに現れたシアノバクテリアという生物は、2種類の光合成細菌が合体したような生物で、光のエネルギーを言わば二重に使うことによって水を文化するエネルギーを得ています。これによって、光のエネルギーを言わば二重に使うことによって(安定的な物質である)水を分解する(大きな)エネルギーを得ています。これによって、硫化水素や有機物といった存在場所が限られる物質に依存せず、水と光のあるところであれば、ほとんどどこにでも生育できる生物が誕生したのです。(39ページ)

植物の起源はシアノバクテリア

葉緑体のDNAの情報にシアノバクテリアのDNAの情報を加えて、このような類縁関係を調べてみると、様々な植物や藻類の葉緑体はおそらく単一の起源を持っていて、しかもその起源はシアノバクテリアであるという結果になったのです。このことは、現在の様々な植物の起源は単一であって、ある時の1回限りの共生によって生じたのだということを示しています。(47ページ)

シアノバクテリアが多細胞生物への道を開く

シアノバクテリアが誕生した当時の生物にとって、シアノバクテリアはいわば毒ガスをまき散らしながら生きていくとんでもない生物であったでしょう。しかの、このシアノバクテリアは、特に有機物が無くても光のエネルギーだけで生きていけるのですから始末に負えません。シアノバクテリアが繁栄するに伴い、地球の環境は(他の生物からすれば)急激に悪化し、酸素に弱い生物は、大気に直接触れない土壌中や、深い水の中など、地球の片隅で細々と生きていくしかなくなりました。…こうして、光合成による酸素の発生は、生物界において好気呼吸を通して真核生物の誕生を後押しし、多細胞生物と最終的にはヒトへと続く進化の道筋を切り開くことになりました。(236ページ)

光合成とは何か

 

光合成の基本的な式:二酸化炭素と水と光から有機物が作られて酸素が発生する

6CO26H2O+光=C6H12O66O2

この光合成の定義に従えばシアノバクテリア光合成を始めて行った生物となる。本書によればシアノバクテリアの前に、光合成をおこなう細菌があった。この細菌が2種類合体したものがシアノバクテリアである。シアノバクテリアは2種類の方法で光エネルギーを使ってエネルギーを多く必要とする水の分解に成功する。

シアノバクテリアの登場によって地球全体で光エネルギーが利用できる形で蓄積を始めた。現存する植物の葉緑素にはシアノバクテリアとの関係を示すDNAが存在するという。私のブログでもシアノバクテリアは度々登場している。

シアノバクテリアの果たした役割は極めて大きい。

蛇足

 

葉緑体緑の光線を吸収しないから、葉が緑に見える

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