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毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

日本にイノベーションが起きない本当の理由~『未来に先回りする思考法』佐藤 航陽氏(2015)

テクノロジー 政治・社会

未来に先回りする思考法

株式会社メタップス代表取締役社長の佐藤航陽が自身の体験から培った「どんな状況にあっても未来を見通せる汎用的な思考体系」を、読者のみなさまにお伝えします。(2015)

 

 

 

テクノロジーには流れがある

テクノロジーは「人間を拡張するものであること」。そして、「いずれ人間を教育しはじめること」。最後に「掌からはじまり、宇宙へと広がっていくこと」です。(27ページ)

未来を先回りする

イノベーターとは、まったくのゼロから新しいものを創造する人たちではなく、少し先の未来を見通して先回りができる人たちなのだといえるかもしれません。誰がいつ実現するかは最後までわかりません。しかし、何が起きるかについては、おおよその流れはすでに決まっています。人が未来を作るのではなく、未来の方が誰かに変えられるのを待っているのです。(248ページ)

日本でイノベーションが起きない本当の理由

イノベーション創出が叫ばれて久しい日本は、他国からの圧力もなく、自国の市場もそれなりの規模があります。イノベーションをする「差し迫った必要性」が日本社会には存在していないのです。だからこそ、仮にイノベーティブなものができたとしても、今の日本において普及するかどうかはわかりません。

これは個人的な考えですが、社会に必要とされていないものを提供しようとする試みほど報われない努力はないように思います。これだけ移動の自由がある時代、そのイノベーションを最も必要としている社会に行って、その社会で提供するのが需給の関係からも自然でしょう。・・・そして、この差し迫った危機が存在しない状況は、国としてはとても幸せなことです。戦争をしているわけでもない。経済は安定していて、現状を維持しても生活ができる。治安は抜群によく、テロなども滅多に起こらない。イノベーションが無くても国が成り立っているというのは、世界一安全で安定しているからこその「贅沢な悩み」なんだということは、他国を見てはじめてわかりました。(77ページ)

評論家になるな、行動しろ

私が人間や社会が絡む領域について考えるとき、常に気をつけていたのは「打席に立つ」、つまり理論だけの評論家にならないことでした。すべての仮設と考察は実際に毎日の生活の中で活用し、本当かどうかを検証してみる必要がある、と私は思っています。そして、もっともシビアにフィードバックを返してくれるのが、ビジネスというフィールドでした。(254ページ)

日本は幸福な世界

 著者は日本が実は満ち足りた世界である、と説く。そこで新しいことを始めても、社会はそれを喜んで受容しない可能性があることになる。今様ながらホンダ、ソニーを持ち出すのも如何なものかと思うが、これらの会社が成長するときそこには敗戦など「差し迫った必要性」があったのもまた事実であろう。

世界は常にテクノロジーの流れに従って、変化しようとしている。当然ながら、世界は未だ満ち足りた世界ではない。故にテクノロジーが求められている。我々は日本だけでなく、世界の不都合、不合理に目を向けることが必要である。まずは外に出かけることである。

蛇足

 世界は満ち足りていない、だから変えられる。

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