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毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

”民衆の歴史”という視点から見たアメリカ合衆国憲法~『学校では教えてくれない本当のアメリカの歴史』H・ジン氏(2008)

学校では教えてくれない本当のアメリカの歴史(全2巻セット)

 

 

ハワード・ジン氏は米国の政治学の研究者、差別と貧困の国,戦争の国、アメリカは、どのようにして生まれたのか?民衆のアメリカ史(2008)

アメリカ合衆国憲法

1935年に、歴史家チャールズ・ビアードは、ある人々を憤慨させるような見解を世に示した。憲法を起草した55名について研究し、大半が富裕層であることをおおやけにしたのだ。法起草者には、自分たちの経済的支えである社会構造を守ってくれる、強力な中央政府をつくり出す必要性があったのだ、(上82ページ)

アメリカ合衆国憲法の前文では、<われわれ人民>がこの文書をつくったのだ、と述べられている。しかし、実際に憲法を起草したのは、特権階級に属する55人の白人男性だった。彼らは自分たちの既得権を守ってくれる、強力な中央政府を必要としていた。まさに今日まで、政府というものは、権力を持った裕福な者の要求を満たすために利用されてきたのだ。こうした事実は、われわれ全員、つまり、富める者も貧しき者も中産階級の者も、みんなが同じものを求めている、とほのめかすような言葉によって、うまく隠蔽されてきた。(下190ページ)

ジャクソニアン・デモクラシー

この神話(ジャクソニアン・デモクラシー)によって一般国民は、自分たちは政府に対して発言権をもち、政府は自分たちの利益に奉仕するものだ、と信じるようになった。だからこそ政府は、必要なときに支持が得られるように、みずからを下層階級と中産階級を代弁するものである、と称したのだ。それは、共和党と民主党という二つの政党のどちらかを選ぶ機会を国民に与え、少しばかり民主的な方を選ばせることで、枯れたをコントロールしようという巧妙な方法だった。(上147ページ)

ジャクソン・デモクラシーは投票権がより重要なものであるべきと信じた。(1828年に大統領に就任した)ジャクソン流民主主義の時代、白人男性の参政権は国中で劇的に拡がった。(Wiki

民衆のアメリカ史

政治家や軍の幹部、大企業のトップからなる社交クラブ、つまり体制側は、全国民の代表だと称する政府と歩調を合わせて、国民は結集している、という外面をとりつくろってきた。…じつは社会を変えてきたのは、自分の声を届かせる方法を見いだした黒人、女性、インディアン、若者、労働者といった人々だったのだ。にもかかわらず大半の歴史書は、当局に対する彼らの抵抗にはほとんど触れていない。たいていの本はふつうの市民がどう動いたかではなく、政府の指導者がなしたことにスポットをあてているだけだ。ところが、あらたなパワーのありかを教えてくれるのは、そうしたふつうの人々の抵抗を、いまによみがえらせる歴史なのである。(下193ページ) 

学校では教えてくれない歴史

 

政治は社会の変化に対し遅効性があるものである。歴史には政治の指導者のみが記憶されるが、その前に民衆の歴史が必ずある。独立戦争当時、アメリカは民衆の反乱が起きてもおかしくない状況だった。本書では既得権者55名によって、既得権者の利益を守る為にアメリカ憲法連邦政府を作ることだったと説明する。既得権利者にとってアメリカ憲法連邦政府=「13州以上からなる一つの国家」(84ページ)があった方が大衆の欲望をコントロールし易いと判断した結果ということになる。

建国以来今日に至るまで、アメリカは差別と貧困、戦争の国である。

蛇足

 

社会を変えてきたのは民衆の歴史

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