やらなかったことの後悔は日々大きくなる~『野心のすすめ』林真理子氏(2013)
林氏は小説家、「有名になりたい」「作家になりたい」「結婚したい」「子どもが欲しい」――無理と言われた願望をすべて叶えてきた人気作家による「夢を実現させるヒント」。(2013)
林真理子(1954年~ )
小説家、エッセイスト。コピーライターとして活動後、1982年エッセイ集『ルンルンを買っておうちに帰ろう』でデビュー。1986年『最終便に間に合えば』『京都まで』で直木賞を受賞し、小説家としての地位を確立。林の功績は、 1980年代以降において、「ねたみ・そねみ・しっとを解放」したことであるとも評される。(Wiki)
野心があっての運
運というのは一度回り出してくると、まるで、わらしべ長者のように、次はこれ、その次はこの人、と、より大きな幸運を呼ぶ出会いを用意してくれるのです。
しかしここで忘れてはなりません。空の上から自分を見ている強運の神様の存在を。強運の合格点を貰うには、ここぞというときに、ちゃんと努力を重ねていなければならないことを。
その「ここぞという機会」を作り出すのが、野心です。私が強運だと言われているのも、次々といろいろなことに挑戦し続けてきたからだと思います。(67ページ)
欲望の「大食漢」
私は野心の持ち主として特異体質であることは自覚しています。なんといっても欲望の量が多い。だから求める幸福だって、当然大きい。(174ページ)
私は、自分がたまたま天職を得ることができた、とりわけ幸せな人間だと自覚しています。本を読むことに喜びを見いだしていた女の子が、本を書くことで人に喜びを与える仕事に就くことができた。・・・しかし、それは、もっと良い作品を書きたいという焦燥感から、一生逃れられないことでもあります。実際に、あれを書いたらどうだろうか、こういうものを書けないだろうかと日々ウンウン考え続けています。(188ページ)
野心は山登り
平地で遊んでいる人間には一生見えない美しい景色、野心を持って努力をした人間だけが知る幸福がそこにはあります。・・・野心という山を登ろうとする心の持ちようで、人生は必ず大きく変わってくる。チャレンジしたからこそ初めて手にいれることのできる、でっかい幸福が待っている。人の人生は短いのです。・・・さあ、山に登ろう!(191ページ)
野心のすすめ
林氏のデビュー作『ルンルンを買っておうちに帰ろう』は100万部を超えるベストセラーになった。1982年、日本はバブルに向かっていく時代。彼女は自分の本音をあからさまにし、有名人となった。
それから30年余り、大きすぎる野心と付き合い、人々から辛辣な批判を受け、飢餓感と闘い、小説家として高みを目指し続けた。林氏は「もっと価値ある人間になりたい」と野心を持ち続けている。
蛇足
やってしまったことの後悔は日々小さくなるが、やらなかったことの後悔は日々大きくなる。(林氏のモットー、25ページ)
こちらもどうぞ