乾電池がいつ発明されたか知っていましたか?~『30の発明からよむ世界史』池内 了氏(2015)
池内氏監修、身の回りにある「モノ」にはすべて歴史があります。(2015)
乾電池はいつ生まれたか?
使い切りのものを一次電池、充電して繰り返し使えるものを二次電池といいます。カーバッテリーなどに使われる鉛蓄電池以外は、電解液を何かに染み込ませて、持ち運びやすくした乾電池です。
乾電池を世界で初めて発明したのは屋井先蔵という人物です。時計職人だった屋井は、23歳のとき(1885年)に、電池で正確に動く連続電気時計を発明しました。ただ、液体式のダニエル電池を使っていたため電解液の補充などの手入れが必要で、しかも冬には電解液が凍ってしまい、非常に不便でした。そこで屋井は、手入れが不要で、低温でも使える乾電池の開発に取り組みました。(222ページ)
30の発明からよむ世界史
時計の針は右回りが基本となっています。これは、北半球では日時計の影の動きが右回りになることに由来します。(54ページ)
(人為的な最古の道は)約5800年前に造られた道路、ストーン・トラックです。グレートブリテン島何部、イングランドの湿原で2009年に発見された道路は、全長2キロメートルにわたって木版が連なっていました。
東京都は、地表全体のうち約8.5%が道路で覆われています。(2014現在)東京23区に限定すれば地面の約16.4%が道路で、被道路率が20%に達する地域もあります。(100ページ)
鉛筆で書いた文字を消すときにはパンが使われていましたが、1770年にイギリスの自然哲学者であるプリーストリーが偶然、ゴムのかたまりで文字が消せることを発見し、このゴムを「こするもの」という意味でラバーと名付けました。(132ページ)
770年に印刷された「百万塔陀羅尼経」は、現在も法隆寺に残されており、現存する世界最古の印刷物といわれています。(187ページ)
(19世紀イギリスで鉄道の発展により)鉄道によって運ばれた新聞や雑誌によって情報が国全体に広がったり、長時間の鉄道旅行で読まれた推理小説のような新しい文学が生まれたりしました。(242ページ)
発明から何を学ぶか
はじめに、で池内氏は「身の回りのものの歴史を俯瞰することによって人間の想像の力や意思の力を再確認」することができると言う。必要は発明の母であり、発明にはセレンディビリティ(偶然の出会い)があったのかもしれない。我々は5800年前から道を造っていた。印刷は1200年前から行われていた。乾電池は130年前に発明されていた。我々の生活は人類の遺産の上に成り立っている。
蛇足
机の上の物、それはいつ生まれたか知っていますか?
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