毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

凡庸なリーダーに必要なスキルとは何か?~『リクルートのDNA―起業家精神とは何か』江副浩平(2007)

リクルートのDNA―起業家精神とは何か (角川oneテーマ21)

 江副浩平はリクルート創業者。1936- 2013、東京大学教育学部在学中より求人広告の仕事を手がけ、23歳で大学新聞広告社を創業。昭和38年に株式会社日本リクルートメントセンターとしたのち、「リクルート」と社名を変更、発展の礎を築いた。(2007)

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私は凡庸な人間である

 

私はそもそもシャイな性格で、カリスマ性はない。人前で話すこと苦手だった。(16ページ)

私は子供のときからケンカに弱く、他人と競うことを避けてきた。人を統率する力はとても弱い。(114ページ)

リーダーとしての資質

 

私のリーダーとしての点数はさほど高くはなかった。私を自らを変えていかなければならないと痛切に感じ、みんなに書いてもらったアドバイスカードをいつも机の引き出しに入れて、「明日からの自分は、これまでの自分ではないようにしよう」と、ROD(他者による評価プログラム)のたびに心に誓った。・・・私の行動のスタイルや人への接し方は年を追って変わっていった。このROD(リクルート オーガニゼーション デベロップメント)を継続して行っていたことが、リクルートを闊達な風土にしたことと関わりが不快、と私は思っている。(34ページ)

リーダーとネッワーク

 

私はごく普通の才能しか持ち合わせていない。そのような私でも大きな仕事をしているのは、私が私自身の弱いところをカバーしてもらえる人とのネットワークを構築して、ともに働いて高い成果を上げるように、心がけてきたからである。誰でも、周囲から信頼される良いネットワークを構築していけば、一人ではできないことができるようになる。ごく普通の人でも大きな仕事ができるのが、人が組織をつくる目的である。(28ページ)

リーダーと話術

 

優秀な経営者には話術に秀でた人が多い。・・・私は内気で話し下手。しかし、社員に向けて話をしていなければならない。そこで、新入社員歓迎会や決算の社員総会の際には、2,3日前から秘書の鶴宏明と、どのような話をするあかの骨子を考え、彼が社内の各事業部を回りおもしろいエピソードを聞いてきて、会社と各事業部門の話しを組み立てた。(131ページ)

トップとは何か

 

私の体験から言えることは、経営者(トップ)もまた一つの職能ということである。経営者は相手によって言うことを変えなければならない。・・・ときに攻め、ときに守る「攻撃と防御」の両面を持たなければならない。このような多面的な要素を求められるのが経営者の職能である。したがって経営者は孤独である。(213ページ)

シャイな起業家

 起業家というと雄弁で自信たっぷりなプレゼンテーションを思い浮かべる。著者は随所で私は凡庸だ、シャイだ、と書く。そして自分の思いを伝える為に、自分が変わるために多くの「しかけ」を行った。リーダーに必要なことは職能であるという。機能=スキルであれはそれを実現できる方法を見つければいいことになる。「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」(22ページ)

蛇足

貴方に必要なスキルはいつくありますか?

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