毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

プログラミングとは自己表現である~『プログラミングバカ一代』清水 亮 氏×後藤 大喜氏(2015)

 プログラミングバカ一代 (就職しないで生きるには21)

清水氏はゲームプログラミング、そして経営者、人類はいまよりもずっと進化できるはずだ。全ての人類をプログラマーにする。これが僕の人類補完計画なのだ。(2015)

パーソナルコンピュータとアラン・ケイ

アラン・ケイXEROXパルアルト研究所で、当時世界で最も先進的なコンピュータ、Altoを開発した。ケイが開発したものは、3つある。

グラフィカルユーザーインターフェース、ネットワークコンピューティング、オブジェクト指向プログラミング

グラフィカルユーザーインターフェースを発明することによって、キーボードに習熟しなくても誰でもコンピュータを使うことができるようになった。ネットワークコンピューティングによって、人々は遠く離れていても一緒に作業ができるようになった。オブジェクト指向プログラミングを導入することで、プログラミングが飛躍的に簡単になった。これらの発明によって、人類は間違いなく進歩したのである。ケイの思想を伝承したスティーブ・ジョブズビル・ゲイツは、MackintoshとWindowsを作った。しかしケイの思想の中で最も重要な部分を彼らは削ぎ落した。それはプログラミングである。

プログラミングとは人類の叡知である

実はプログラミング技術というのは、現実社会に応用可能なのだ。・・・ファーストフード店の接客マニュアルも、思えばプログラムそのものだ。憲法や法律、契約書の類だって、プログラムの一種である。・・・プログラミングを簡単かつ実用的にしていくことで、人類は自らの能力を大きく拡張することができるのである。プログラミングほど人売りの叡知を手軽に使える方法はない。(232ページ)

プログラミングを取り戻す

しかしジョブズゲイツは、ともにそうしたケイの取り組みを無視した。彼らはプログラミングを隠し、一般ユーザーから遠ざけようとした。しかしそれは間違っている。我々はプログラミングを人類の手に取り戻さなければならない。それができれば、人類はいまよりもっとずっと進化できるはずだ。(232ページ)

誰でも自己表現できるツール

MOONblockというビジュアルプログラミング言語を内蔵しておりプログラムを書くkとが出来る。・・・EnchantMOONを使うとHTMLを一切覚えなくても、ハイパーテキストコンテツを作ることができる。・・・つまりEnchantMOONはコンテンツ制作に特化したコンピュータなのだ。(242ページ)

未踏領域

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CONCEPT - enchantMOON; The Hypertext Authoring Tablet

 

清水氏はEnchantMOONで誰でもがプログラミングできるコンピュータを作ろうとしている。清水氏はこの挑戦を「未踏領域」と表現する。人はコンピュータに使われるのではなく、コンピュータを使うという立場を守らなければならない。コンピュータが人間の能力を越えるとされている2045年までに、この立場を確固たるものにする必要があると主張する。我々の次の世代に、パーソナルコンピュータをどういう形で引き継げるのであろうか?

蛇足

 

もっと自己表現していい!

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