毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

思考の限界を外す為に、まず自分が一番ワガママな顧客になってみる~『インターネットが普及したら、ぼくたちが原始人にもどっちゃったわけ』小林弘人氏×柳瀬博一氏(2015)

インターネットが普及したら、ぼくたちが原始人に戻っちゃったわけ

小林弘人氏と柳瀬博一氏のメディアについての対談、ウェブとSNSの発達で、いまや世界は「150人の村」になり、われわれは原始人に戻った?2015年刊

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柳瀬氏は星新一ショートショートを話題にする。

人間の行動が広告になる世界

 

 

 

1970年の時点で、、すでに星さんは「未来社会では、あらゆる会話が広告化している」という話をショートショートで書いていたの。・・・一つは「宣伝の時代」。人々の動作が全部広告になっている。あくびをしたら「疲労回復の栄養剤には××か、くしゃみをしたら「風邪には××錠だな」。小説の登場人物が喋る言葉がいちいち全部広告になっている。(256ページ)

 

 

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アニメ 星新一 ショートショート 宣伝の時代 - YouTube

 

つまり、天才作家たちのSF的妄想力のほうが、ビジネス分野たちが作った現実より数十年も先に行っていた、ってわけ。だからね「ゼロ・トゥ・ワン:で、ゼロから未来を創り出すのはこれからますますテクノロジーだ、とシリアル・アントレプレナーのピーター・ティールは主張して、それはまあその通りなんだけど、未来を創るのは正確に言うとテクノロジーである前に、新しいテクノロジーがもたらす「未来の生活」を具体的に妄想する力のほうじゃないか、と。・・・ビジネスマンでもなければ技術者でもない作家であるところの星新一は、今日のインターネット的な通信技術についてもすでに70年代にショートショートで描いていた。(257ページ)

 

僕らが目指すべきは、

 

星新一筒井康隆やアーサーCクラークや藤子不二雄的な「SF力」=妄想力を備えつつ、150人の自分の村をいくつも持った「スマホを持つ原始人」。(259ページ)

妄想がすべて

 

1970年代星新一ショートショートにした時、は妄想だった。インターネットを初めとする基盤技術が成立してそれが実現した。テクノロジーは本質的な制約ではなく、妄想とも言うべき人間の欲望が先にある。我々はテクノロジー、資金、パートナー、経験、法律、社会、あらゆる限界を取っ払って思考する事ができる。星新一は45年前に思考によって限界を突破していた。

我々は思考を制限している。制限しているものをすべて外す。そして自分が理想と考える未来を想像する、そこにどういう貢献をしたいのだろうか?

蛇足

 

自分が一番わがままな顧客になって考えてみる。

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