毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

左ハンドル国産車が見せてくれる非日常と明日の姿~『左ハンドル国産車が日本を救』小森正智 氏 小森正隆 氏 (2014)


左ハンドル国産車が日本を救う

 「国産車左右ハンドル選択自由」の規制緩和で左ハンドル国産車の生産販売を認めるメリットとは?2014年刊

 
国産車左右ハンドル選択自由」の規制緩和で左ハンド国産車の生産販売を認めるメリットとは?

「国内新車販売が増大」

「世界7割の左ハンドル国に高価値中古車輸出増」

「国内での査定額がアップ」

「世界中に日本製品ファンが広がる」

「自転車活用との車道共有時の安全性が向上」

「国内での自動車代替年数が短縮」

「新車販売が活性化し、自動車生産者雇用が増大」

「世界中で排気ガス対策に貢献できる」

「国外での車両廃棄増で国内CO2削減に寄与」

⇒その結果貿易自由化を最大限に活用して外貨を稼ぎ、日本は輝かしい「黄金の国」になれる!

 

世界の7割は左ハンドル

 

 

数字でみる限りは、右ハンドル車は世界の3割しか使われていないマイナーな存在です。そのためグローバル視点で見れば生産効率も悪く、グローバルな中古市場も比例して小さくなります。(237ページ)

 

日本の中古車輸出は116万台(2103年)

 

日本における中古車輸出の最盛期だった2008年には134万台、平均単価61万円で8200億円の市場規模がありました。(196ページ)

世界の7割を占める左ハンドルの国へ輸出される右ハンドルの一部の日本の中古車は、純正部品を使わない最低価格の改造でも15-30万円前後の費用をかけて左ハンドルに改造されています。(66ページ)

全自動運転でハンドルの位置の差が無くなる?

 

 

全自動運転者の研究開発過程にリストアップされている課題の一つであるとも思いますが、全自動運転実用化の前に、現行車でのハンドル位置による視界の差異をなくす技術開発に期待します。(209ページ)

 

更にもう一歩進めると、、、

 

本書は左ハンドル国産車の販売を認める事で中古車の価値は上がる、という主張であった。2014年の国内自動車販売は556万台なので中古車輸出市場はその約20%の規模になる事である。これほどの巨大な輸出市場があったとは知らなかった。更にもう一方考えると、全自動運転の先にあるのはハンドルの位置はいつでも変更できる、究極的には運転席が亡くなってしまう事であろう。本書は当たり前の日常に潜んでいる非日常とすぐそこの明日に気づかせてくれる。

蛇足

 

右ハンドルという自分の弱みを強みに変える方法はないか?

こちらもどうぞ

 

 

将棋電脳戦でコンピュータはプロ棋士チームに勝ったのか?~我々は自ら変化できる生き物である。 - 毎日1冊、こちょ!の書評ブログ