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毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

6600年前の大絶滅、何が生死を分けたか?~遺伝子が悪いのか、運が悪いのか?

生物

大絶滅―遺伝子が悪いのか運が悪いのか?

生命誕生から35億年。進化した500億種の生物のうち現在生息するのは約4000万種。99.9%の生物種が絶滅。進化史において生死を決定したのは必然か偶然か。

ラウプ氏は三葉虫が2億4500万年前に大量絶滅した事を研究し、本書に至る。原書は1991年刊。

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6600万年前、世界の生物の40%が絶滅していた

 
絶滅の原因は遺伝子か、それとも運か?

長い地球の歴史のなかで、これまでに何十億もの種が絶滅してきた。それらは、適応面で劣っていた(遺伝子が悪かった)せいで絶滅したのであろうか。それとも単に間違った磁気に間違った場所にいた(運が悪かった)せいで絶滅したのであろうか。・・・すなわち、我々人類がここにいるのは、生物として優れていた(親指が他の四本の指と向き合うかたちでついているせいで物がつかみやすい、大きな脳等の)おかげだろうか、それとも単に幸運だったせいなのだろうか。あるいはこう問いなおしてもいいかもしれない。生物の進化は、最適者生存という標語にこめられた意味どおり、フェアなゲームなのだろうか。(6ページ)

ラウプ氏の結論

ほとんどの種は、運が悪いせいで死滅するのではないか、と私は考えている、それまでの進化の過程では予想も付かなかった、生物的あるいは物理的ストレスのさらされ、しかもダーウィン流の自然淘汰が適応を準備する時間的余裕もないせいで、種は死滅するのだ。(229ページ)

運の悪さによる絶滅とは

ある種類の生物が生き残りやすいという意味では選択的な絶滅なのだが、通常の生息環境によりよく適応しているから生き残りやすいという訳ではない絶滅(225ページ)

2600万年毎に絶滅が発生

過去2億5千万年間に起こった主要な絶滅に関して統計解析を行ないその結果を短い論文論文にまとめて発表した。その結論は、絶滅の間隔は規則的で2600万年ごとに起こっているというものだった。・・・その周期性を説明する原因についてはいかなるしくみも提案せず、おそらく外宇宙の原因によるものだろうという見解を述べるにとどめた。(197ページ)

一つの思考実験~外宇宙からの宇宙線の増大

放射能を伴う宇宙線が増加すると陸生脊椎動物は大きな影響を受ける一方、水生動物は水が放射能を遮断、昆虫、植物などは放射能耐性を持つ事から大きな影響が受けないと推定している。ラウプ氏は突然の宇宙線の増大にダーウィン流適応は期待できないため、従前の環境に如何に適応していようと絶滅は免れないと説明する。

2600万年毎の絶滅を生き残る種は?

2600万年ごとに絶滅する種、生き残る種は選択的ではあるが、その時点で繁栄しているから生き残るのではない事になる。そして時には繁栄している種が絶滅するとそこに生じた空間を埋めるべく日陰だった種が勢力を伸ばす事になる。ラウプ氏は繁栄している種といえども絶滅する事が生命の多様性を生んだと主張する。

蛇足

哺乳類の最大種は齧歯類(ネズミなど)1700種

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