毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

どうやってネコは空中で姿勢を変えているか?~マクスウェルの電磁気方程式が説明する場、あるいは体幹の動き

世界を変えた17の方程式

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マクスウェルとネコ

マクスウェルはいくつもの奇妙な実験を行ない、なかでも、ネコがどうやって、ベッドから数センチの高さで逆さまに落とされてもつねに足から着地するのかを解き明かそうとした。問題は、それがニュートン力学に反しているように思えることだ。ネコは180回転しなければならないが、その足場になるものが何もない。

ネコの連続写真

マクスウェルにも正確なメカニズムは分からず、1894年にフランス人意志ジュール・マーレーが落下すうるネコの連続写真を撮影して、ようやく解明された。その鍵はネコが剛体でないことである。上半身と下半身を互いに反対方向に左右にひねりながら、胴を伸ばしたり縮めたりして動きを打ち消しあうのだ、

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マーレーのオリジナルの連続写真(動画monde fluide | postmortem lols: cat gifs

マクスウェル方程式

電場と磁場は同時に一つの波を伝えることができ、両方の場が互いに歩調をあわせて変化する電磁波が作られることが予想される。そしてその波の速さは・・・光の速さである。・・・光の速さで進むものは何であろうか?その答えは予想どおり、光だ。しかし、そこには重大な意味が込められている。光は電磁波なのだ。

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ネコとマクスウェル方程式

本書の著者はネコとマクスウェル方程式を直接結びつけて説明していない。マクスウェルは「数学を学ぶとともに、化学、磁気、工学の実験を行った」(230ページ)幅広い事象に興味を抱く学者でありそのエピソードとしてネコのエピソードを挿入した。私にはこんエピソードこそがマクスウェル方程式を理解する事につながった。マクスウェル方程式は電場と磁場は直角の方向性を持つ。そしてそれらは電磁波、つまり光が二つの場を作っていいる。ネコが上半身と下半身を逆にひねって体制を制御している事と重なる。

ネコの空中動作

ネコは空中に放り出された時、重力の影響は受けるものの運動の支点となるべき地面から離れている。ネコは上半身と下半身をひねることで空中の中で重力に対し正しく足を向ける。自分が水中に浮いていると考えてみる、そこで「でんぐり返し」ができるか?マットの上でなら簡単だが、支点のない空地では難しい。体を垂直方向と水平方向の力を組み合わせる、「でんぐり返し」に近い動きをする事になる。水中なので手足の動きも使えるが「体幹」の動きが重要になってくる。体幹の動きとは上半身と下半身のねじれから生じる。

場とは

場(field)とは、物理量を持つものの存在が別の場所にある他のものに影響を与えること、あるいはその影響を受けている状態にある空間のこと。(Wiki)つまりは上半身と下半身という二つの物理量を持つものが作用している。私には電場と磁場が作る場と光、この2つの関係とネコの写真が重なって見える。

蛇足

実際に水泳では「体幹の捻じり」がポイント。

 

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