毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

スーパーームーンの晩に改めてみたい、「かぐや」の画像~月から観た「地球の出」

世界はなぜ月をめざすのか (ブルーバックス)

じつは世界ではいま、アメリカ、中国、ロシアなどを中心に、月の探査・開発をめぐって激しい競争が水面下で始まっています。30~40年後には、月面基地が完成するともみられているのです。

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表紙は「かぐや」による月の表と裏の画像、違う事は月が分化している証拠

 

月探査ブームの到来

ほとんどの日本人は、いま「世界の多くの国々が月を目指している」ことを知らないのだ。・・・日本人の多くの方がご存じなく、国内では大きなニュースにもなりませんが、いまや世界は「月探査ブーム」を迎えています。・・・世界各国は本気で月を開発し、月の資源を利用しようとしている、だからこそ月に向かっているのです。(5ぺージ)

月の特徴、大きい、近い、分化している

月の半径は約1737㎞で、地球の半径約6378㎞と比較すると、4分の1を越える大きさです。火星の半径が約3396㎞で地球の約半分、水星の半径が約2440㎞で地球の約3分の1ということを考えると、月あh惑星に匹敵するほどの大きさを持っていることがわかります。・・・サイズが大きいことの重要性は「大量の資源を供給する能力があり」ということです。(26ページ)

月と地球との平均距離は約38万㎞です。これは光が1秒ほど(約1.3秒)で到達する距離です。・・・さらに重要なのは、月は常に「同じ面を地球に向けている」という事実です。地球上の複数の場所に通信基地を用意しておけば、月の表面にある基地や機材とは

常に電波による通信を確立した状態を保てます。(27ページ)

ある特定に物質が、何らかの物理的・化学的な過程で集められることを「濃集する」といいます。分化する仕組みがあるということは、すなわち有用物質を濃集する仕組みがあるということです。・・・地球の場合、マグマが固まる際の分化過程があるだけでなく、水が地下を循環する際に物質を濃集する仕組みもあるので、太陽系の中ではもっとも多様に分化が進んでいます。(30ページ)

♩まあるい、まあるい、まんまるい、盆のような月が、♩

(月の)衝効果とは、月に差し込む光の方向と、観測する方向が近いとき、極端に明るくなる現象です。・・・満月のときは、地球も太陽も月に対して、ほとんど同じ方向にあるので、月に差し込む太陽の光の方向と、地球で月を観測する方向とが近くなって明るさが極端に増すのです。・・・月の表面をおおう物質がどの場所でもおおよそ同じであれば、月面の明るさは、もっぱら太陽の方向と観測者の方向の近さによって変化します。満月の月面の中心部分と縁の部分とでは、この両者の方向の差がほぼ等しいために、縁までくっきり明るく見えるのです。・・・つまり月は粉におおわれている為に「月」の歌詞のとおり、盆のように見えるのです。・・・月の表面をびっしりと覆っている砂粒を、レゴリスと呼びます・・・レゴリスは月の石が粉々にくだれた物で平均的な粒の直径が100μ弱である。(42ページ)

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月面着陸から50年、2007年のかぐやの貢献と先見性

かぐやは、宇宙航空研究開発機構 (JAXA) が2007~2009年に運用した月周回衛星。アメリカ航空宇宙局 (NASA) のアポロ計画以降、最大の月探査計画とされる。主衛星と2機の子衛星で構成され、14種類の観測機器を搭載していた。かぐやは月の表面から100㎞の高度で最新の電子観測危機により精緻な表面観測が行われた。この結果は科学的に有用なだけでなく、鉱物資源探索の基礎資料になり得るだけのデータを含んでいる。月面着陸から50年、本格的に月資源を活用する時代、そして月資源を活用する事で月を人間の活動領域に改善する事に利用できる時代、がすぐそこ迫っていると著者は主張する。

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月と地球~ 「かぐや」 が見た「ふるさと」~ - YouTube

世界はなぜ月をめざすのか?著者はより端的な答えは「50年を経て誰もが月に行けるようになった」(19ページ)と記している。我々は宇宙への大航海時代の第一歩を踏み出そうとしている。

蛇足

月の誕生メカニズム「ジャイアント・インパクト」は今だ仮説