毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

「僕は○○で□□の美しさを伝えたい」○○と□□、自分なら何をいれるか?~世の中を少し良くする為に

ぼくは数式で宇宙の美しさを伝えたい

 

クリスティン・バーネットの息子ジェイコブは、アインシュタイン級のIQの持ち主。記憶力抜群で数学が大好物。3歳で天文学に強い興味を持ち、、、。こんなジェイコブだが、二歳で自閉症と診断され、将来自分の靴紐さえ結べるようになれない、と言われていたのだ。意する。彼女は「興味のあることをとことんやらせる」という基本哲学によって不可能を可能に変えていく

 

球体を作れるほどの引力が強くない

自閉症だったジェイク(当時3歳)はふとした事から一冊の「大学レベルの天文学の専門書」を手にいれる。息子ジェイクが宇宙に強い関心があると思った母は近くの大学で火星についての特別プログラムが開催される事を知り、息子を連れて行く。

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Jacob (Jake) Barnett Math and Science Prodigy on 60 Minutes - YouTube

教授が会場の人たちに向かって質問を投げかけました。「地球の形は球形をしています。ではなぜ、火星の月は、ポテトみたいな楕円しているかわかりますか?」答えられる人は誰もいませんでした。私も見当もつきません。ジェイクが手を挙げたのです。「すみません、火星の月の大きさを教えて頂けますか?」(中略)教授は明らかに驚いた様子で、ジェイクの質問に答えてくれました。するとジェイクは、わたしも含めた全員が唖然とする中でこう言ったのです。「火星の月は小さいので、質量も小さい。つまり球体を作れるほどの引力の作用が強くないからです。」(133ページ)

母はジェイクをこう記す

ジェイクは自閉症で、誰ともコミュニケーションがとれなかったがゆえに、やりたおことに打ち込む時間と場所が与えられました。自分の中に引きこもり、誰も手が届かなかったからこそ、他の子供と比べて好きなことを好きなだけやる時間があったのです。光と影、角度と容積、宇宙空間での物体の動き方。ジェイクが何かを学べる様になるとは誰も思わなかったので、学ぶ方法を教える人は誰もいなかった。こうして自閉症によって、ジェイクは世にも珍しい才能を伸ばすことになったのです。(143ページ)

 

ジェイクは赤ちゃんのころから同じテーマを考え続けていた

(極めて高い認知能力を持つ人を研してきた)ルーサッツ博士はまた今まで不思議に思ってきたいくつかの事に対しても答えてくれました。ジェイクが赤ちゃんのこと、(自閉症の)療養士たちを無視して背後の壁を見つめていたのも、ただぼんやりとしていたのではなくて、壁に映る光の動きを一心不乱に観察していたと思われること。大きな箱一杯のクレヨンを並べ替えたり、影の映り方によって練る時間を図っているときも、ジェイクはすでに光や、物体が空間を移動する法則、次元など、現在彼が情熱を注いでいる分野に集中していだであろう事。ジェイクはまだ赤ん坊のころから、現在と同じテーマに関心を抱いていたのです。(344ページから再構成)

 

興味こそすべて

本書は自閉症と診断された息子ジェイクと、保育所を経営しながら、息子に向き合った母クリスティン・バーネット氏の物語である。私は母クリスティーンが息子ジェイクが何に興味を持つか注意深く観察、興味を持つ事に触れ合う機会、それも子供扱いせず高度な情報を与える環境、を用意した事が鍵だったと考える。本書の自閉症のストーリー、天才児のストーリー、偉大な母親のストーリー、色々な捉え方ができる。私は自分が、そして自分の家族が、私の仕事の仲間が、そして世界中の人が、自由にやりたい事に挑戦する事が大切だと感じた。そして人はそれを他人に伝えた時、世の中が少し良くなる。

 

蛇足

「僕は○○で□□の美しさを伝えたい」○○と□□、自分なら何をいれるか?考え続ける皆を応援したい。