毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

「未来」を「今」と心から感じ"健やか"になる方法~現代的物理学が考えるタイムマシン

 タイムマシンのつくりかた (草思社文庫)

ディヴィス氏は初期宇宙を専門とする物理学者。『「時間」とは何か?「今」とは何か?なぜ物理学者たちは「タイムマシン」が可能と考えるのか?』

普遍的な「今」は存在しない

 地球は確定した歴史をもち、5000光年離れたところにある仮説的惑星Xも確定した歴史をもっていたとする。だが、この二つの惑星上でもっていたとする。だが、この二つの惑星上で特定の日付を比較しようとしても無意味だ。二つの惑星の時系列には、時点を時点を合わせようとしても何千年というスパンであいまいさが残るからだ。これは、単に速く旅行することで、原因と結果の順序を逆転できるということではない。

 

 2地点の距離と時間差が近接している場合

私が地球上で鉄砲を発射し、宇宙飛行士が(地球上にいる私の計算で)その一秒後に火星で鉄砲を発射た場合、高速で動いているロケット船に乗った観測者は(地球と火星が光速で20分の距離にあるので)、火星の方が先に発射されたと判断するかもしれない。しかし、火星の鉄砲が私の鉄砲の1週間後に発射された場合には、どちらが先に発射されたかについて、全員の意見が一致するであろう。

 

本当に重要なのは、二つの異なる場所では「同じ瞬間」に絶対的な意味をもたせる事ができない、ということなのだ。だからこそ、現在が存在するのと同じように未来はまさしくそこにあり、訪れることができるのである。

 タイムマシンの作り方

まともなタイムマシンが欲しいなら、光速に非常に近い速さで移動できる宇宙船か、あるいは中性子星の近くの過酷な環境に耐えられる宇宙船があればいいのだ。超光速が得られないのは原理上の問題ではなく、単に実地上の困難であり、いつの日か克服できるであろう。今の所、大きな障害はエネルギー・コストである。

 

5000光年離れた惑星と地球、あなたと私、時間はすべて相対的と考える事ができる。日常では感じる事がないが5000光年という設定の思考、これにより過去も今も未来も一体であると実感できる。それなら「これから選択できる未来」を「今」と認識すればいい。

蛇足

一日、一週間、一年、すべて誤差の範囲。