毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

我々はいつ視覚情報を獲得したか?

眼の誕生――カンブリア紀大進化の謎を解く

パーカー氏は生物学者、丁寧に眼の誕生と生物進化の関係、「光スイッチ説」を着想するに至った経緯が説明される。

いつ生物の眼は誕生したか?

本書で著者は「生命最初の眼は5億43百万年前に三葉虫が備えた。」と主張する。三葉虫は5億43百万年前から2億80百万年前に繁栄し、現在の節足動物(昆虫、甲殻類、クモ類、ムカデ類など、硬い殻と関節を持つ)が由来したグループと考えられている。

三葉虫カンブリア紀の生態系を一変

カンブリア紀初頭、地球上のすべての海で、眼と捕食用付属肢をそなえた三葉虫が姿を表した。能動的な捕食の時代が到来したのだ。これで、海中に前代未聞の驚異が出現した。それら三葉虫は、やがて、白亜紀ティラノサウルスや、今日のライオンを登場させる道を開いたのだ。

f:id:kocho-3:20131213081949p:plain300ページ:グレー部分が眼

世界を震撼させたのは、まさしく三葉虫の出現にほかならなかった。(中略)カンブリア紀の爆発は、ことごとく視覚に頼る捕食者から身を護るための進化だった。最初の眼が登場した時点で、原始三葉虫が世界を支配する可能性は、他の動物に作用する淘汰圧として了解された。(347ページ)

著者は生物が視覚信号の利用がカンブリア紀大進化の「光スイッチ」と説明する。

ではなぜ眼は生まれた?

最初の眼は、進化とは独立の要因である、日光の増大に反応して進化したに違いない。バイオルミネッサンス(動物が生じる光)は、それを見る眼が存在しないうちは、進化しても意味がなかったはずである。(中略)太陽からの光の放射量がわずかに増大し、臨界レベルを超えたのではないかということだ。太陽放射がほんのわずかに増えたことえ、一面の霧が透明な水蒸気に変わり、その結果地史的に見るとほぼ一夜にして、地球の空は晴れ上がり、どこまでも見通せるようになった。(367ページ)

眼の感覚器としての位置づけ

眼はカンブリア紀頭に突如として出現し、たちまち普及していった。(中略)眼が機能するには、かなり大きな脳と神経ケーブルが必要なわけだが、それらの一部は他の感覚から借用したものだった。単純な前駆体である光感知器から一足飛びに眼になったとたんに視野を獲得したことを説明するには、借用したと考えるのが一番妥当なのだ。(357ページ)

f:id:kocho-3:20131213082116p:plain(356ページ) 

我々の脳機能を考える時、視覚が誕生した時他の感覚の神経回路を共有した可能性は注目点である。私は感覚は脳での処理において似た手順を踏んでいる事と関連すると考える。