宇宙の形、未来から過去の形が生まれた。
ポワンカレ(1854-1912)、フランスの数学者、論理(あるいは数学)は着想を秩序たてる手法にすぎない、と考えていたという。彼は「宇宙の形が丸いか、丸くないか、」一本のロープとロケットで確認できると考えた。
100年の難問はなぜ解けたのか―天才数学者の光と影 (新潮文庫) 春日氏はNHKのプロデューサー、2008年のNHKスペシャルの書籍化。
ポアンカレ予想(1904年)
「単連結な三次元閉多様体は、三次元球面と同相と言えるか?」
これを言い換えると
「ロープをかけたときに必ず回収できる四次元空間の表面は、四次元球の表面と同じである。」
この次元を一つ落とすと
「ロープをかけたときに必ず回収できる『三次元空間の表面』は、三次元球の表面と同じである。」
地球による例え
地球を一周するロープをすべて回収できれば地球は丸いと言える思考実験。地球の表面にいながら、地球を外から眺めるのと同じ効果がある。『三次元空間の表面』とは地球の地表の事であり、みかんでいえばみかんの皮にあたる。地球はドーナツの様に穴はあいていない。
次元を一つ挙げると
地球の表面にいながら地球の形が球形とわかった。「宇宙にロープをかけて1週させて、その輪が回収できれば宇宙は丸いと言える。」
宇宙の形は8種類の組み合わせ(1981年、サーストン博士)
サーストン博士は「宇宙が丸くないとすると他にどんな形があるか?」と考え、「必ず最大で八種類の異なる断片から成り立っているはずだ」(幾何化予想)と考えた。
断片の形を整える(1994年、ハミルトン博士)
熱方程式(時間と共に熱が均一になっていく)と同様リッチフロー方程式「宇宙の形に何らかの変化要因を加え、時間を経過させる」事で8つの断片の形を整えられると考えた。しかし特異点(鉛筆の先端の様な所)が発生し、完結できなかった。
リッチフロー方程式にL関数を導入(ペリマン博士)
特異点が発生した場合に時間を過去に後戻りさせる概念、L関数を導入した。ペリマン博士は「リッチフロー方程式は『カノリカル集合のエントロピー』と解釈し、『局所的に曲率が下から有界なときの崩壊に関する過去の成果』を活かしたと説明する。(185ページから引用)
私の理解
「宇宙の形を8つの断片で網羅され、その8つの形を未来から過去に遡る事で証明できた。」
蛇足
自分で自分がまとめた文章の意味に驚く。