毎日1冊、こちょ!の書評ブログ

2013年8月から毎日、「そうだったのか」という思いを綴ってきました。

宇宙の形、未来から過去の形が生まれた。

 ポワンカレ(1854-1912)、フランスの数学者、論理(あるいは数学)は着想を秩序たてる手法にすぎない、と考えていたという。彼は「宇宙の形が丸いか、丸くないか、」一本のロープとロケットで確認できると考えた。

100年の難問はなぜ解けたのか―天才数学者の光と影 (新潮文庫)  春日氏はNHKのプロデューサー、2008年のNHKスペシャルの書籍化。

ポアンカレ予想(1904年) 

「単連結な三次元閉多様体は、三次元球面と同相と言えるか?」

これを言い換えると

「ロープをかけたときに必ず回収できる四次元空間の表面は、四次元球の表面と同じである。」

この次元を一つ落とすと

「ロープをかけたときに必ず回収できる『三次元空間の表面』は、三次元球の表面と同じである。」

地球による例え

地球を一周するロープをすべて回収できれば地球は丸いと言える思考実験。地球の表面にいながら、地球を外から眺めるのと同じ効果がある。『三次元空間の表面』とは地球の地表の事であり、みかんでいえばみかんの皮にあたる。地球はドーナツの様に穴はあいていない。

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トポロジカル宇宙(完全版):根上生也著 - とね日記

次元を一つ挙げると

地球の表面にいながら地球の形が球形とわかった。「宇宙にロープをかけて1週させて、その輪が回収できれば宇宙は丸いと言える。」

宇宙の形は8種類の組み合わせ(1981年、サーストン博士)

サーストン博士は「宇宙が丸くないとすると他にどんな形があるか?」と考え、「必ず最大で八種類の異なる断片から成り立っているはずだ」(幾何化予想)と考えた。

断片の形を整える(1994年、ハミルトン博士)

熱方程式(時間と共に熱が均一になっていく)と同様リッチフロー方程式「宇宙の形に何らかの変化要因を加え、時間を経過させる」事で8つの断片の形を整えられると考えた。しかし特異点(鉛筆の先端の様な所)が発生し、完結できなかった。

リッチフロー方程式にL関数を導入(ペリマン博士)

特異点が発生した場合に時間を過去に後戻りさせる概念、L関数を導入した。ペリマン博士は「リッチフロー方程式は『カノリカル集合のエントロピー』と解釈し、『局所的に曲率が下から有界なときの崩壊に関する過去の成果』を活かしたと説明する。(185ページから引用)

私の理解

「宇宙の形を8つの断片で網羅され、その8つの形を未来から過去に遡る事で証明できた。」

蛇足

自分で自分がまとめた文章の意味に驚く。