隕石衝突の頻度~前回は6,500万年前 次回はいつ?
アルバレス仮説~6,500万年前の恐竜絶滅と巨大隕石
既に1,980年代より6,500万年前のイリジウムの濃度の濃い地層がある事が知られており、アルバレス親子(物理学者の父と地質学者の息子)が恐竜の絶滅と巨大隕石の衝突には関係があるのではないかという仮説を立てていた。最終的に1991年にユカタン半島の重力異状がクレーターの形状である事からチチュルブ・クレーター(直径200kmと推計、隕石というより小惑星のレベル)と名付けられアルバレス親子の仮説が指示されるに至った。
新版 再現!巨大隕石衝突―6500万年前の謎を解く (岩波科学ライブラリー)
松井氏は比較惑星学、アストロバイオロジーの研究者。1,997年から当時調査をされていなかったキューバの地層を調査したプロジェクト「6500万年前の衝突による地球システム攪乱の研究プロジェクト」をまとめたもの。本書で巨大隕石による津波の発生はシュミレーションにより予見されていたが、キューバの地層から津波の発生による堆積地層を発見した事が成果と記している。
私たちがキューバで見つけた地層はまさにそのホジジェナイトではないかというわけです。(45ページ)
キューバでの地質調査を通じて、巨大隕石の衝突に伴いとてつもない規模の津波が発生したらいいことがわかってきました。(61ページ)
(巨大隕石の)衝突の瞬間蒸発し、水のなくなった領域に周囲の海から海水が流入するのに2時間くらいかります。周囲の海には引き潮が発生します。次いで数百メートルのドーム状に盛り上がった海面が崩れて、これが押し波となって周囲に伝播します。これらの津波は北アメリカ大陸の沿岸に波高300メートルの波として到着します。(73ページ)
津波はその様な攪乱の一つにすぎません。これ以外にも、酸性雨、森林の地球規模での火災と焼失、煤による寒冷化、オゾン層の破壊などありとあらゆる環境変動が起こります。(81ページ)
隕石衝突の頻度
松井氏は86ページに以下の図を載せている。
6500万年前=10の-7乗~-8乗、数千万年に一度の確率と人類の歴史20万年を比較すると人類の歴史の短かさ、歴史は一瞬にすぎない事を実感させられる。何より地質調査によりチチュルブ・クレーターが津波を起こした痕跡を発見した記録が私の認識をより強固なものにしてくれる。
チチュルブ・クレーターの衝突再現映像
ユーチューブにの再現映像がある。出所はよくわからないが本書のロジックと整合しておりバーチャルに迫ってくる。
http://www.youtube.com/watch?v=uwByasaVeLA
6500万年前の隕石衝突時の地球を再現!!